内容説明
それは高校二年の秋、授業中、密かに回覧されてきた奇天烈な原稿から始まった。東京オリンピックの年だ。四人で同人誌を作った。十円で売った。『平凡パンチ』が五十円だった。高三の春。「勉強やる気せんな」「あったり前だがや。あんなもん好きでやる奴おれせんて」受験直前、自家製の単行本を出した。二百五十枚の大長篇も。あの日々が、彼らの始まりだった。パスティーシュ作家の半自伝的青春連作。
目次
イエスタデイ
続・イエスタデイ
タイムトンネルだよ、ピーナッツ!
レトロ1988
時間線下り列車
初夏の頃
記憶の水脈
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽち
10
【再読】何度目かの再読だけど、自分の年齢に因って感想、というか感慨は変わってくる、当たり前のことだ。◆本書の惹句にはならないけどもしかしたら作家の骨子であるのかもしないことが終わりのほうにさらりと書かれている。――人間はものの名前に考え方を左右される面がある、(中略)名前って言ったのは言葉のことです。つまり、概念に思考が動かされる、ということが言いたいんですけど……。2022/06/23
ぽち
3
たぶん10代のころ買ったものだと思う、いま手元にある旧版のノスタルジックな表紙がやっぱりいいなあ。ああノスタルジー。2014/01/16
hiroshi0083
2
バブル景気華やかなりし80年代後半に刊行された書の文庫版。古書店にて購入したものだ。 著者自身の自伝的作品も含めた全7編の短編集。いずれもディテールの質量や細かさが見事で、感心させられるものばかりだ。 そんな傑作揃いの中でも、現在の目から見て特に興味深いのが「記憶の水脈」だ。ここでは80年代後半のレトロブームについて、著者独自の分析がなされている。簡単に説明してみよう。(コメントに続く)2017/11/07
アルゴン
0
★★★ 「タイムトンネル〜」の無難なオチや、「時間線下り列車」「初夏の頃」のノスタルジックな感じなど、SFにも著者の味が出てますね。自伝的な部分もありよかったです。2012/07/02
ひより
0
大昔に読了。