内容説明
平凡なOL生活に飽き足らぬ依理子の前に、ある日“侍従”と称する謎の男が現れる。「望む所へ御供を」との言葉に誘われ、夜ごと冒険が始まった。やがてレズ・バーで出会った元侯爵夫人との愛に溺れた依理子は、夫人を追って侯爵邸へ忍び込むが、そこには夢とも現実ともつかぬ世界が―。青年を愛する侯爵。依理子そっくりの謎の少年。奇怪な蝋人形館。狂気と倒錯の館で、最後に彼女を持ち受けるものとは!
感想・レビュー
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浅木原
2
シンデレラ秘宝館小説。冴えないOLが謎の紳士に導かれて夜な夜な様々なプレイを経験し、やがて侯爵夫人の愛に溺れて忍び込んだ屋敷ではホモもレズもふたなりもSMも獣姦もバター犬もあるよ! とまあ要するに『私がふたりいる』『透明女』路線の戸川昌子。毎度展開は意味不明で、秘宝館の迷路を彷徨ってるみたい。ただ前に読んだ2冊は一応ミステリーかサスペンスの毛皮を纏っていたけれども、これはもう徹底的に官能幻想小説で、さすがにどんな顔をして読めばいいのかわからないの。それにしても変身願望は戸川作品の統一テーマなのかしら?2015/07/10