内容説明
歴史に「もしも…」はない、という。しかし太平洋戦争史上、戦術・戦略的にいくつかの大きな転換点があったことは確かである。―もしも真珠湾で第二次攻撃を行なっていたら?レイテ湾で栗田艦隊が反転しなかったら?また、超重爆撃機「富岳」が完成していたら?超大和級戦艦が建造されていたら…。『北海道侵攻』等、ウォーゲームの作者として注目の気鋭が贈る本格シミュレーション九篇。
目次
もしも真珠湾で第二次攻撃を行なっていたら!?
もしもミッドウェー作戦が成功していたら!?
もしも栗田艦隊が反転していなければ!?
もしも石原完爾が現役であり続けていたら!?
もしもジェット戦闘機が実戦参加していたら!?
もしも重戦車を開発していたら!?
もしもあの軍艦が建造されていたら!?
もしも超重爆撃機「富岳」が完成していたら!?
もしも超大和級戦艦が建造されていたら!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
6
(太平洋戦争で)もしも~が~だったら!? という設定で、仮想戦記のネタ的にイフをいろいろ並べたもの。久しぶりの読み直し。1991年に刊行されたものに二篇をつけ加えて文庫用に再編集したものだそうな。陸軍ネタは「もしも石原莞爾が現役であり続けたら!?」と「もしも重戦車をかいはつしていたら!?」しかなく、あとの7篇は海軍がらみで日本が有利になりうる情況を作りだして遊んでいます。大輔節としてはまだまだなんだけど、遊びと考えると面白いね。2017/06/19
こぼこぼ
3
古書で入手したので再読。戦闘シーンもさる事ながら,様々な仮定を外挿した結果の「その後」の世界が多様で楽しい。戦艦が「兵器としての現実性を失い、芸術的感覚の対象という幻想の存在になったからこそ、未だに人の心に訴えかけるものを持っているのだ」と論ずる辺りで旧TV版「宇宙戦艦ヤマト」第2話に挿入された菊水一号作戦の為に出航する大和を見送る親子のシーンを思い出した。2015/12/04
カラヤ3
1
適切な戦術判断、計画された兵器の実用化など「if」で9話の短編を書いている。これらを読んでいると、現実世界で日本が負けたのは当たり前だなあと感じた。2020/01/04
臓物ちゃん
1
架空戦記がいっぱいの、ひとくち佐藤大輔。円谷英二が出てきたりと小ネタもたくさんでお買い得。一番好きなのは「もしも超大和級戦艦が建造されていたら!?」。アレよりデカくしてどーすんだホテルどころか街になっちゃうぞ。2015/01/18
カモメの本棚'10
1
作戦編が面白かった。 しかし佐藤大輔は書く“男たち”は、なんとも格好良い。見たことも話したこともない“歴史上の人物”がなんとも格好良く思えてくる。2014/12/30