漂泊者のアリア

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漂泊者のアリア

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  • サイズ B6判/ページ数 265p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784163118109
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

下関の琵琶芸者とスコットランド人貿易商の混血児として生まれた義江の華麗な生涯に隠された内面を、親と子の視点から描いた長篇

内容説明

下関の琵琶芸者とスコットランド人貿易商の混血児としての愛と真実。“歌に生き恋に生き”た世界的なオペラ歌手藤原義江の波瀾の生涯。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

133
第104回(平成2年度下半期) 直木賞受賞 藤原義江という英国人と芸者の間に生まれた混血児を通して、明治大正昭和の激動期を描く。混血児とその母に対する世間の目が、侮蔑と非難に充ちる時代。流転という語彙が見事に当てはまる程転々とした人生は、しかし悲惨に感じないのは義江のキャラなのだろう。父母への想いとは裏腹に、過酷な時代背景は試練を義江に課していく。卑屈にならない義江の心根が自分の道を切り開いていく・あき子の恋も、大正にしては大胆で艶やかであるが・傍若無人とも言うべき義江の奔放な女性関係の最後はとても哀しい2013/12/08

hit4papa

39
戦前から戦後にかけて世界的に活躍したハーフのオペラ歌手藤原義江の生涯を描いた作品です。両親に疎まれた不幸な生い立ちは同情せざるを得ませんが、それを補って余りあるダメ男っぷりに感嘆してしまいます。金にだらしなく、女性に目がない主人公の放蕩の人生は、タイトルの漂泊者というより、世界を股にかけたいきあたりばったりの表現が正しいでしょうか。本作品は、小説というよりは藤原義江その人の伝記のようです。知らない世界が開けたのは本作品を読んだ収穫ですが。今、あらためて彼の歌声を聞くと感慨深いものがあります。【直木賞】2017/11/20

アルビレオ@海峡の街

9
テナー歌手、藤原義江氏の生涯を淡々と綴った作品。フィクションと書いてあるけど、ほぼ史実なのかな。~だった。~であった。など、文章があまりにも淡々とし過ぎて、いまいち人物の心情が伝わってこない。たった一行でミラノに行ってパリに移動し、帰国した、とか目まぐるしく場面が展開する。正直、これが直木賞??地元の作家さんには申し訳ないが、素直な感想です。脚色して朝ドラにしたら面白いかも。2015/05/06

かち

7
再読です。日本のオペラ黎明期に活躍したテナー歌手・藤原義江の生涯を書いた小説。ベルベットのような歌声と言われ、日本の歌を歌ったことで海外でも人気を博しました。「サヨナラ」と父に言われて去られた時の衝撃は彼の人生で根強く、生涯愛情を求めてさまよっていた感じです。妹尾河童さんのエッセイで知り、沢田研二さんの舞台も見に行きました。直木賞受賞作(当時最高齢での受賞・歴代では多分3位)2013/03/31

逢日

5
もの悲しい読後感です。2015/01/22

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