出版社内容情報
ドングリ眼でガニ股、おまけに髪まで薄いサエナイ若者が、次々に出会う五人の美女と五つの難解な事件。ほのかな恋とミステリーが交叉する洒落た味わいの連作推理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
16
5つの難事件に立ち向かうモッサリ男で一文なしの田沢軍平はなぜか女医から不良少女にまでモテモテ。ユーモアミステリー。1983/04/30
そうたそ
3
★★★☆☆ 連城三紀彦さんといえば、美しく繊細な文章で紡がれた文学とミステリが混在したような作品を思い浮かべるのだが、この作品はそういうものでなく、ストレートなユーモアミステリである。本作における探偵役である田沢軍平に一番近いイメージは亜愛一郎であった。風貌の差はあろうが、どことなく似ている。謎解きのキレも亜愛一郎シリーズの方が数段上だとは思うが、本作もそれなりには楽しめた。だが、他の連城さんの作品に比べると、いまいちだという印象は否めない。とはいえ、その中でも「観客はただ一人」の出来は秀逸だった。2013/03/27