内容説明
広告代理店勤務の男に突然訪れた災厄。原因不明の病、余命1カ月の宣告…。男は決意する、愛する妻と最期の旅に出ようと。思い出の地の頭文字を集め、AからZまで順番に。そこで二人は出会う。過去の自分たちに。盲目の老紳士に。神秘的な遊牧民の老女に。そして、砂漠の駱駝に…。やがて、スピリチュアルな旅の果てに、二人には運命の刻が―。
著者等紹介
リチャードソン,C.S.[リチャードソン,C.S.][Richardson,C.S.]
1955年生まれ。カナダ、トロント在住。装幀家。20年以上も出版界で活躍し、カナダで最も権威のある書籍装幀の賞であるアルキン賞を受賞している。2007年発表の『最期の旅、きみへの道』はリチャードソンの作家としてのデビュー作に当たる。『ワシントン・ポスト』紙ほかの有力紙誌で絶賛され、コモンウェルス賞処女長篇賞を受賞すると、一躍ベストセラーリストに名を連ねた
青木千鶴[アオキチズル]
白百合女子大学文学部英文学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
22
余命1か月と宣告された男性が妻と共にAからZまで名前の付く場所を訪れようとする。26文字なのはちょうど余命がそれくらいだから。とはいえ段々弱っていく身でそれだけの移動は難しく、間にちょいちょい旅先で出会った人や友人とのエピソードが挿入。文章は淡々としている。2018/11/11
みけのすずね
7
余命わずかと宣告された男が、妻とアルファベットを辿る旅に出る…場所や人の描写がシンプルで読んでいて楽でした。最期ってこれくらい削ぎおとされている方が、ああ、こんな道のりだったなあとわかりやすいかも。アルファベットを巡れた間は写真を一枚一枚眺めるかんじだったのに、ぎゅっとつまるところは、残りの過ごし得なかった時間のようで、切なかった。2016/05/05
蒼月@ドラマダフルコンプ!
2
硬質な文章によって紡がれる、愛の話。余計な文章がなく、また泣かせようとする表現もないので、とても静かだけどでも愛があふれる作品だと思った。余命一ヶ月と知らされた主人公は、思い出の場所をまわっていく。そして彼のゴールはそう、Zはそうなったんだよね。恋愛ものが苦手な自分でも、とても良い作品だなあと思いました。おすすめ。2012/07/13
fuchsia
2
余命1ヶ月となったとき、自分の本当にやりたいこと、そばにいて欲しい人、その2つが両方ともあった主人公は幸せだと思う2008/10/26
ムッシュ
0
★★★★☆2009/05/01