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内容説明
わたしはいつも、心のなかの“秘密の自己たち”に守られて生きてきた。残酷な兄ハンクから毎日のように虐待されていた時も、ボーイフレンドのジャックにベッドルームでレイプされた時も、威勢のいい「JJ」や名前のない「子供たち」が現われて、わたしを助けてくれた。だが、彼らとともに生きるには代償が必要だった。奇妙な病気にかかったり、知らぬ間に瀕死の重傷を負ったりした。躁鬱病や食物アレルギーにもなった。わたしの心と体は分裂を続けていく“自己たち”に耐えきれず、壊れようとしていた。30歳の夏、セラピストの診断を受けて初めて、わたしは自分が背負ってきた謎の正体を知った―多重人格性障害。それは、他人に言えない心の病を隠しながら生きていく、新たな苦しみの日々の始まりでもあった。30代後半の女性大学教授が、多重人格者として生きていくことと、その原因となった恐ろしい過去を生々しく綴り、見えない心の真実に迫る感動の記録。
目次
語らずにはいられない
鏡のなかの顔たち
魔法の娘
心の痛むもの
女の子としての問題
馬、馬、馬
十五歳のJJ
さらに女の子としての問題
お金の問題
出発
途上
統合へ