ボリス・ヴィアン全集 〈4〉 北京の秋

ボリス・ヴィアン全集 〈4〉 北京の秋

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  • サイズ B6判/ページ数 390p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152002549
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mejiro

8
タイトルが内容と全然関係ないのをはじめ、無意味なところがおもしろい。これと言ってストーリーはないのに、読める小説になっているのがすごい。人があっさり死んだり、女性をけなしたり、けっこうひどいことやくだらないことを書いているが、言葉の使い方や文章が絶妙で、ギャップや変な調子に笑ってしまう。繊細でもある独特な作風にはまった。阿部公房の解説が本書の魅力を言い当てていると思う。2015/04/11

かもめ通信

6
思いっきりナンセンスで、あきれるほど破廉恥で、どこまでもけだるくて退廃的なのに、なぜかセンチメンタルで、びっくりするほど繊細で、読んでいるうちに物語の中で溺れてしまいそうなそんな小説だったような。。。。。2014/03/21

希い

6
日常はつねに非日常を孕んでいる。平凡な日々は不意に裂け、その亀裂からは不条理という眼球が冷笑を湛えて僕らを眺める。だが現実において不条理は、概して甘受されるべき出来事だ。僕らはそれを不幸と呼び、愛や愉楽で誤魔化す。しかしそれが誇張されて文学に生ずるとき、最早認識の対象からは外れ、それ自体が運命となる。物語そのものとなる。まるで宙に浮ぶ決して爆ぜないシャボンの様に、繊細で頑丈な異様の物体。本作はそうした夢中の所属物と現象とで綴られる。舞台は砂漠、筋は鉄道敷設という無彩色の物語を、ヴィアンが花々で埋め尽くす。2013/02/05

Hirouch

4
同僚から借りて読みました。著者について全くの無知、かつ題名から普通にシリアスな小説を予想していたので初めの章から頭の中は?の連続でした。けれどそれがだんだん病みつきになる。でもやっぱり文字をイメージに変換しづらい。これは多分自分の力不足でしょう。初めの章が一番面白かったので、自分の中では途中からやや盛り上がりにかけました。何を隠そう、一番スゴいのは訳者なのかも。2019/06/12

ヤーマダ

2
不条理で残酷でふざけてるようにも思えるけど繊細で美しい。ストーリーも面白い!解説で安部公房が『カフカが書いた「不思議の国のアリス」』と形容してたけど(『あるいはルイスキャロルの書いた「審判」』とも)杉浦茂がロマンチックなマンガを描いていたらこんな内容になったかもしれない。「うたかたの日々」のある登場人物が再登場するのであちらを読んでから読むとより楽しめるかも。2012/05/22

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