内容説明
男は国体で日の丸を燃やし抗議した。戦争中の悲惨な集団自決はなぜ起きたのか、なぜ自分の土地を米軍施設が占拠するのか…「海の沸点」。米軍撤退を望む一方、人々は働き口を失うことを恐れ、矛盾に苦悩する…「沖縄ミルクプラントの最后」。広島で被爆し沖縄へ帰郷した被爆者の悲哀と、日本復帰時代の沖縄の家族を描く「ピカドン・キジムナー」。今日の沖縄が直面する問題を鋭く切り取る、著者渾身の沖縄三部作。
著者等紹介
坂手洋二[サカテヨウジ]
1962年、岡山県生まれ。慶應義塾大学文学部国文学科卒業。83年、燐光群を旗揚げ。ほとんどの作品の作・演出を手がける。社会問題に鋭く切り込むジャーナリスティックな視点と豊かな演劇手法で評価される。91年「ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語」で岸田國士戯曲賞、2000年「天皇と接吻」で読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。「屋根裏」(2002)は読売文学賞の他、同年の作品「最後の一人までが全体である」「ブラインド・タッチ」「阿部定と睦夫」「CVR」と共に紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。「屋根裏」は06年オーストラリア国立演劇学校で著者自身の演出で上演され、07年ニューヨークのプロダクションによりオフ・ブロードウェイで上演。地雷を取り巻く世界状況を描いた「だるまさんがころんだ」(2004)は鶴屋南北戯曲賞、朝日舞台芸術賞、読売演劇大賞選考委員特別賞等を受賞。燐光群のワールド・ツアー、海外アーティストとの合作など、国際的にも活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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