ハヤカワ文庫
オランダ宿の娘

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150310653
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

日本とオランダの懸け橋に。“長崎屋”の娘、るんと美鶴は、江戸参府の商館長が自分たちの宿に泊まるのを誇りにしていた。そんな二人が出逢った、日蘭の血をひく青年、丈吉。彼はかつて宿の危機を救った恩人の息子だった。姉妹は丈吉と心を深く通わせるが、回船問屋での殺しの現場に居合わせた彼の身に危険がふりかかる…「シーボルト事件」などの史実を題材に、困難な中でも想いを貫く姉妹の姿を描く歴史小説の傑作。

著者等紹介

葉室麟[ハムロリン]
1951年、北九州市小倉生まれ。2005年『乾山晩愁』で第29回歴史文学賞を受賞してデビュー。2007年『銀漢の賦』で第14回松本清張賞を受賞し、2012年『蜩ノ記』で第146回直木賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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とし

111
江戸参府のおりに商館長が宿泊するオランダ宿の娘、るんと美鶴を中心にした物語。シーボルト、間宮林蔵、遠山金四郎、イネ、高野長英など登場して興味深く読めました。2018/01/20

chantal(シャンタール)

85
長崎出島のオランダ商館長「カピタン」が江戸出府の際の宿「長崎屋」。長崎屋の娘、るんと美鶴。二人の恋の行方、日本とオランダとの結びつき、シーボルト事件。ものすごいスピード感でどんどん物語が進む。怪しげな唐人グループ、中国では有名な鄭成功、隠密間宮林蔵、そしてそして遠山の金さんまで登場!ちゃんと桜吹雪背負ってます!とても楽しい歴史エンターテイメントだった!長崎の出島、行ったなあ。シーボルト事件ってこんなだったのねぇ、間宮海峡って名前はそのためか・・等等、楽しい発見もあり楽しめた。2021/04/26

レアル

68
シーボルト事件を題材に描いた作品なので、史実の良い勉強にはなるが、今後の期待を持って言えば、それ程の展開もなく普通に終わった!という感じと心霊現象、これが何とも興ざめを起こしてしまった。。私が大好きな葉室氏の「矜持を求める作品」ばかりを望む訳ではないが、まさか歴史ミステリーを読む事になるなんて、読む前には想像もしなかった。ハヤカワから出版されている意味が分かった。嫌いではないけど、次からハヤカワ出版の葉室氏の本は買わない!2015/08/29

ユメ

38
主人公は、カピタンが江戸参府をする際の定宿・長崎屋の二人娘、るんと美鶴。鷹見泉石、間宮林蔵、遠山金四郎と役者が揃い踏みし、シーボルト事件に葉室さん独自の光が当てられて重厚な読み応えとなっている。それぞれ想い人がシーボルト事件に巻きこまれ、身を引き裂かれるような思いをするるんと美鶴だが、決して長崎屋の娘として生まれたことを嘆いたりはしない。閉ざされた国の中で、数少ない開かれた場所の人間である彼女たちが、懸命に国と国との架け橋たらんとし、困難な中でも自らの思いを伝えようともがく姿は、力強い光のようだった。2016/09/13

真理そら

36
再読。有名なシーボルト事件を題材にした物語。オランダ宿・長崎屋の姉妹の眼から見た間宮林蔵の不穏さがなんとも言えない。遠山父子、高野長英、シーボルトとお滝、イネの一家など登場人物がとても多いけれど、それぞれの人たちがそれぞれの人生、役割を全うしようとしているので読後感が清々しい。2019/02/15

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