NHKテキスト 100分de名著 2017年11月
幸福論 - 客観的に生きよ

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  • サイズ A5判/ページ数 101p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784142230808
  • NDC分類 028
  • Cコード C9498

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

84
私は「100分de名著」という発想に懐疑的である。名著を原典(日本語訳でいい)で読まずに理解しようとする安直さが悲しい。ラッセル卿の「幸福論」は、岩波文庫の翻訳は晦渋だが、比喩も豊富で論理的な文章だから、誰でも読める。必要なのは、全17章の上辺を舐めることではなく、「幸福論」の理解を助けるための情報提供と考察ではないのか。本書では、幼少期の祖母からの厳しい道徳教育や不屈の反戦主義などは紹介されているが、一方、ラッセル卿の優生論的思想、反宗教、不道徳な女性関係、予防戦争論などが投影されず、読みに深みがない。2021/06/21

としP

20
《不幸の原因》「競争」: 成功は幸福の一つの要素だけど、そのために他のすべての要素を犠牲にしてしまっては、決して幸福にはなれない。「疲れ」: 神経の疲れ。「ねたみ」: 普遍的で根深いもの。《解決策》目いっぱい楽しもう。世評は無視しよう。「気心の合った仲間が得られるチャンスのある仕事を選ぶように努めなければならない。」《具体的な方法》熱中できるものを見つけよう。しかし、度を過ぎてはいけない。趣味を持ち、幅広い興味を持て。幸福には自分自身との調和と同時に、社会とのつながりも必要である。2017/12/04

しょうじ@創作「熾火」執筆中。

19
【1回め】2017年11月放送分のテキスト。直前に、アランの『幸福論』についての本を読んだ関連で、この著を手にした次第。自己没入(自己の内面に固執すること)が不幸の原因であり、そこから離れて幸福への軌道に乗るためには、よき趣味を持つなど、バランスよく外界に眼を向けることを説いた。また、「社会の幸福」も重視したラッセルの平和行動は、後に「ラッセル=アインシュタイン宣言」として結実する。自身の経験に基づく「客観的」な記述は、誰もが実践可能であることを書いているということだと感じた。2020/03/10

獺祭魚の食客@鯨鯢

13
幸福は転がり込んで来るものでない。 それは幸運である。性善説が主流の日本人には、他人から嫌われたくないために断れなくなる。漱石の名言にも「智に働けば角が立つ…」自分の人生を振り返れば、誰からもいい人でいようとして、八方美人ならぬ八方ふさがり続きでした。嫌な奴になって幸福そうにしたりしているのは、自分が弱すぎたことが原因であるからだったんですね。2017/11/15

高橋大輝

10
番組と併せて読み進めた。ラッセルの幸福論は非常に経験主義的で偏った意見も多いため、万人に共通する真理を追及する学問である哲学とは相容れない部分も多いように思う。しかし、一方でラッセルの言葉は明解で非常に説得力がある。ラッセルは、幸福とは何か、という問題に対し、具体的な経験から真理を導き出そうと論理的に問い詰めた。そこでラッセルが用いた、ある問題に対し論理的に問うという方法は、まさに哲学そのものだ。筆者がラッセルを「行動する哲学者」と呼んだのも、そのような理由からだろう。ぜひラッセルの他の著作も読んでみたい2017/11/29

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