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NHKブックス
ロックを生んだアメリカ南部―ルーツ・ミュージックの文化的背景

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910719
  • NDC分類 762.53
  • Cコード C1322

内容説明

二〇世紀の音楽地図を塗りかえたロックには、アメリカ南部の民衆音楽と過酷な歴史が深く刻まれている。綿花農園で搾取に耐え働いた黒人の唄ブルース、人種差別と闘った有色クレオールや黒人が生んだジャズ、アパラチアの貧困な山人が歌ったバラッド、苦しい日々を慰め、生きる源泉となった宗教音楽…それら全てがエルヴィスの中で衝撃的に焦点を結んだ。絶望的な環境を、愛に満ちた音楽創造のエネルギーに変え、今なお強烈な磁場をもつ南部音楽の原点に迫る異色の文化論。

目次

プロローグ すべてはふたりのキングから生まれた
第1章 黒人音楽はエルヴィスの中に焦点を結んだ
第2章 ブルースマンの悲痛な叫び―ミシシッピー・デルタの混淆から
第3章 都市をゆりかごに生まれたジャズ―ニューオリンズの坩堝から
第4章 ゴスペル 魂の高揚―信仰と教会、そしてアフリカの匂い
第5章 カントリーの故郷はどこか―オールドアメリカへの郷愁
エピローグ 都市という荒野で歌うディラン

著者等紹介

バーダマン,ジェームズ・M.[バーダマン,ジェームズM.][Vardaman,James M.]
1947年、米国テネシー州生まれ。ハワイ大学大学院修了。1976年に来日し、いくつかの大学で教鞭を取ったのち、現在、早稲田大学文学部教授。現在はアメリカ南部の総合的研究に取り組んでいる

村田薫[ムラタカオル]
1953年、福島県いわき市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修了。専攻はアメリカ文学。早稲田大学文学部教授。現在は主にアメリカ南部の文化と文学を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Satoshi

11
プレスリーとBBキングのツーショットから本書は始まる。ジャズ、ブルース、ゴスペル、カントリーといったアメリカ音楽は互いに融合し、影響しあっていることがよく分かる。そして、ロックに繋がる。ミシシッピデルタ、ニューオリンズ、アパラチア山脈と独特の文化圏の特異性を鑑みれば、アメリカでしかロックは生まれなかったのだろう。2021/07/19

Sherlock Holmis

4
傑作。ロック、ブルース、ジャズ、ゴスペル、カントリーといったアメリカが誇る音楽はそのどれもが「南部」という、覇権国家・合衆国の栄華から取り残された土地から生まれた。そんな事実から出発する物語はエルビスやB.B.キングらの英雄譚にとどまらない。人種、宗教、経済等の様々な社会的側面から歴史を検証しつつ、彼らが登場する遥か以前から苦難を味わい、だからこそ素晴らしい文化遺産の土台を創り得た人々に光を当てていく。読書中の興味関心は音楽の範囲をとうに超えて多方面に広がっていき、これこそが本物の読書体験だと感動した。2024/04/07

unterwelt

2
プレスリーから始まりブルース、ジャズ、ゴスペル、カントリーを通ってボブ・ディランで終わる。生まれた音楽のほとんどに教会(教会音楽)が関わっており、教会を知らないとアメリカ文化や音楽を理解しえないのではと思わされた。あと純粋な「ジャズ」や「カントリー」なんてものは存在せず、文化というのは雑種なんだなぁ、と。2019/04/17

Stair512754

2
ひさびさに読んだ小説以外の本 読み応えばっちし・・・いや、かなり苦労したが それだけの価値はあったのでは? プレスリーとBBから始まり、 ブルース、ジャズ、ゴスペル、カントリーと アメリカン・ルーツミュージックの文化・歴史的背景を辿りながら 最後はボブ・ディランで締めくくる 残念ながら個人的にはエルヴィスもディランも 全くなじみがないのでなんとも言えないが うっすらとしか知らなかったアメリカの近代史を かなり具体的な事例を持って解説している 2008/02/05

YUPO Tetesi

1
ルーツミュージックから現在のロックまでをアメリカの社会、政治、思想などの歴史とともに辿るロードムービーのような話。マーティン・ルーサーとB.Bの2人のキングから始まった旅は、エルヴィス、ミシシッピ・デルタ・ブルース、ジャズ、ゴスペル、カントリー、そしてディランへと。2022/01/09

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