NHKライブラリー
子規のココア・漱石のカステラ

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  • サイズ B40判/ページ数 285p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784140842140
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1395

内容説明

子規も漱石も甘いものが好きだった。牛乳一合ココア入り、菓子パン十個…牛乳五勺ココア入り。子規は三十六歳で死去したが、晩年、旺盛な食欲を命の証しとして短く苦しい人生を生き抜いた。また、子規の親友の漱石は茶菓子にでたカステラを懐紙に包み渡され、カバンも持たないので、京都の町をその紙包みを手に持ち歩いた…。

目次

1章 漱石夫妻のラブレター(「子規」と名乗る;それにして置け時鳥 ほか)
2章 牛乳一合ココア入り(あなたも河馬に;豆ごはんまで ほか)
3章 三月の甘納豆(木への寄り道;シンボルの木 ほか)
4章 子規と食べる日(私も坊っちゃん;松山の漱石 ほか)

著者等紹介

坪内稔典[ツボウチトシノリ]
俳人・京都教育大学名誉教授・佛教大学文学部教授。1944年、愛媛県に生まれる。立命館大学大学院修士課程修了。高校教諭、園田学園女子大学、京都教育大学を経て、現在に至る。俳句グループ「船団の会」代表。ネンテンさんの呼び名で親しまれている。正岡子規を研究し、子規の好む柿、アンパンを愛す。さらには動物のカバになぜかひかれている。日本中のカバに会い、グッズを集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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yumiko

34
子規の研究家にして俳人である坪内稔典のエッセイ集。漱石の手紙を集めた本を読んだ時、子規との友情に心を打たれた。そして探し求めた関連本ゆえに著者のことはよく存じ上げなかったけれど、ほのぼのとした味わいのある文章にお人柄が感じられて読んでいて楽しかった。思っていたほど子規と漱石の話は少なかったけれど、語られるエピソードはどれも人間味があり温かいもの。京都のお寺で包んで貰ったカステラをしまうカバンを持たず、手にしたまま寺巡りをする漱石の姿は、想像するだに可愛らしくて微笑みを誘う。2015/04/27

へくとぱすかる

33
ココアと菓子パンが大好きだった正岡子規。1902年に34歳で亡くなった人としては、驚くほどハイカラ趣味である。病床にあっても心は快活だった子規の、食べることへの執着をテーマに、漱石との交流などを綴る。自分の墓碑銘に「月給四十円」と書かせようという諧謔は、まさに俳句的精神。「柿食へば」の句に見る日本的情緒から、ベースボールを詠んだ句の、時代的な先取り性までを思うと、守備範囲は恐ろしく広い。この本を読んで、正岡子規のことがすごく気に入ってしまった。一度句集を読んでみたいと思う。あんパンでも食べながら。2014/08/07

あきあかね

32
 「三月の甘納豆のうふふふふ」「桜散るあなたも河馬になりなさい」といった、おおらかなでユーモアのある句風の著者らしい、子規·漱石にまつわる楽しいエッセイ集。 「今やかの三つのベースに人満ちてそぞろに胸のうちさわぐかな」という子規の短歌からは、幼い子どものようにベースボールに熱中する、子規の高揚感が伝わってくる。食べ物として身近で俗なものとされていた柿に詩を見つけ、静かで悠久の時間に満ちた風景を切りとった、「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の句。生を楽しむ子規の姿が生き生きと立ち現れてくる。⇒2020/03/01

Euki

21
ココア入り牛乳を毎食のように食する子規、包んでもらったカステラをもったままウロウロする漱石。愛嬌ある二人の大家に、アイスココアとアンパンで乾杯!2014/08/10

neimu

13
食欲の秋特集、ってわけじゃないけれど、家で毎日柿を食べていたら思わず手に取りたくなった本の表題。子規は病人だったけれど、食欲旺盛だったのはかねてから知っていたし。漱石はさておき。中身もユーモアたっぷりで、坪内稔典さん、こんなに面白い人だったっけ? と。腸捻転の話とか、文学におよそ関係ないような話題を散りばめながら、関西ティストのネタや笑いに満ちた軽妙洒脱な1冊だった。2012/12/06

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