内容説明
「やつさずに濡れ事をする新五郎」と川柳にうたわれた江戸有数のスキャンダル、「絵島生島事件」の背後に何があったのか。「わ印」と呼ばれるポルノ本の取締りをめぐるかけひきのあれこれ。全精力を傾けて東洲斎写楽を世に送り出した出版プロデューサー蔦屋重三郎なる人物は。「大名が怖いものかえ文左衛門」と庶民を痛快がらせた成金たちは、なぜ元禄期に多数台頭したのか。江戸風俗をめぐる興味深いテーマに迫る。
目次
大奥絵島生島スキャンダル（スキャンダルの陰に潜むもの；絵島事件には裏がある；大奥艶譚；高遠遠流の絵島）
大江戸ポルノ取締り（おとないし内容の悪書だが；江戸庶民と出版文化；「検閲下文化」の抜け道；元禄の碁）
写楽を売り出した男 蔦屋重三郎（写楽の謎を解く人物；江戸の出版仕掛人たち；写楽の役者絵；東洲斎写楽版画全集）
元禄成金番付（誰が一番の成金か；江戸・上方色里比べ，貨幣価値の比較；江戸・上方成金比較考）
