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シリーズ・哲学のエッセンス
プラトン―哲学者とは何か

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  • サイズ B6判/ページ数 123p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140093023
  • NDC分類 131.3
  • Cコード C3310

内容説明

青年プラトンとソクラテスの出会いから「哲学」は始まった。ふたりの「対話」から、哲学者の生を生きるとはどういうことかを問う。

目次

第1部 対話(出会い;時代のギャップ;「知者」ソクラテス ほか)
第2部 現実(現実との対決;クリティアスの失敗;クリティアスとプラトン ほか)
第3部 生(ソクラテスの死;洞窟の暗闇で;ソクラテスの告発 ほか)

著者等紹介

納富信留[ノウトミノブル]
1965年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院修士課程修了。ケンブリッジ大学古典学部博士号取得。九州大学文学部助教授を経て、現在、慶応義塾大学文学部助教授。専門は西洋古代哲学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はら

17
あとがきにも書かれているが、この本はプラトン哲学の解説という内容の本ではない。プラトンの前半生をたどり、彼がソクラテスと出会いどのようにしてプラトン哲学が生まれたのか、そして哲学とはなんなのかということが主に対話篇を例に挙げて書かれている。 プラトンはソクラテスの視点を通して、対話という形で彼の思索を深めた。たとえば「カルミデス」という小篇では、クリティアスという寡頭政を唱えた人物をソクラテスと対話させることで彼が「思慮深さ」について何も知らないということを暴いた。→(コメントへ)2018/08/09

みみ

10
プラトンにとってソクラテスは、凄いってのは分かるけどよく分からない所がある人って感じだったっぽい。分かんないけど言うなれば「哲学者」、でその「哲学者」とは何か(まさしく副題の通りだけど)という、プラトン哲学うんぬんの、その前に、哲学者であるための必要条件というか根元の一番大事な部分を説明した本、といった感じでしょうか。だからプラトン哲学全体をうすく掠め取った本、ではないけど面白かった。が、個人的には最初の30ページ、プラトンの対話篇そのものに関する説明はけっこう難しかった。2020/01/09

misui

7
「プラトン哲学の真の恐ろしさは、「現実」から目を逸らす理想主義や彼岸主義などではなく、現実そのものを見据える破壊力にある。太陽そのものを見ようとする者は、視力を失う。しかし、その光にあえて挑戦するこの「逆転」こそが、以後の西洋のあらゆる思索者が魅了され、戦慄し、反撥したプラトンの呪縛の正体であった。」2017/08/24

非日常口

7
対話とは互いの差異を確認する作業だ。ソクラテスの言葉を残したプラトン。「無知の知」は有名だが、それ以上に現代で必要な箇所はデモクラシーを行うためには個々人、民意を唱える人々は自分たちが考えるために必要な知識を常に自身で集め考える義務があることだろう。知が不足している自覚からその余白を埋める行為がなされる。Ph.D.=Philosophiae Doctorであるのに大学教授が専門以外知らない輩が増えているこの国の知の現状をプラトンが見たら嘆くのではないか。平易な言葉だからこそ気づくことが多かった。2013/10/12

ちあき

7
久しぶりに手にとった〈哲学のエッセンス〉シリーズの一冊。「ある哲学者を専門としている研究者が専門領域の入門書を書きおろす」定型をはずしたところに新味があったこのシリーズも古代ギリシアとなるとそうはいかなかったようで、やや残念な感じは残る。しかし、対話篇でなければならなかったことの意味、語られた言葉を書き言葉で残す意味について考察するくだりはさすがの読みごたえであった。個人的には、ソクラテス的な知のあり方が「敬神」という態度と両立する理由が説得力ある形で示されていたのも収穫。2013/08/04

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