内容説明
イースト・アングリア地方の穏やかな田園やサマセットのなだらかな牧草地。目の前に広がる愛すべき風景のなかで、人びとは静けさを感じ、心をなごませる。あるいはスコットランドのハイランドやウェールズの山々。荒涼たる原野といえるその地は、人びとの心を揺さぶり、自然の過酷さを教える。南イングランドに暮らした著者が、田園のもつ二つの貌(かお)について、また日々の生活から感じたイギリス人の自然観について、歴史・文学を織りなしながら奔放に語る。“イングリッシュネス(イギリスらしさ)”とは何か。田園と都市、人間と自然について考える九つの物語。
目次
1 風景―夢と現実
2 森―失われゆく自然
3 道―イギリス人の美意識
4 城―守るべき父祖の地
5 庭―多様のなかの統一
6 川―静かなること
7 山―ハイランドの霊
8 リゾート―自然への回帰
9 都市―人間の創りしもの