出版社内容情報
自然と人間との歴史的な関わりが織りなしてきた景観には,災害に対する回復力(レジリエンス)が自らのうちに秘められているのではないか.仙台湾沿岸の植生,動物たち,そして近世以来の人の暮らしが直面した東日本大震災とその後を仔細にたどり,「景観がもつレジリエンス」の可能性に迫る共同研究.
目次
序章 自然と歴史を活かした防災・減災とは
1章 砂浜海岸エコトーンの撹乱応答とレジリエンス
2章 自律的な植生再生を活かした砂浜海岸エコトーンの防災・減災
3章 震災後の森林にみる撹乱・再生・連続性
4章 居久根の多面的機能性と景観再生
5章 海岸林の津波減災効果とその限界
6章 海岸林と暮らしの共生―仙台湾岸域の歴史から
7章 地域コミュニテイ主体の復興とレジリエンス―仙台市宮城野区における住民自治組織の事例
8章 椿の民俗から思考する震災復興の祖型
寄稿 「自然を活かした防災・減災」のためのスチュワードシップと科学(鷲谷いづみ、カレン・コリガン=テイラー)
終章 「未来を育む震災復興」への道標