出版社内容情報
人々は読書という行為にいかなる期待を込め、そしてその期待はいかなる社会的背景で形作られたのか。1930年代、1980年代の中国を対象に「いかに読むか」に対する論争を歴史的に分析する本書は、過去からつながる現在の中国を理解するとともに、これからの読書を考えるものである。
目次
序章 焚書の政治から読書の政治へ―書物をめぐるシンボリズム
第1章 上海の「グーテンベルクの銀河系」―先行研究・視座・時期設定
第2章 消費する読者への交錯する期待―読書雑誌とその機能
第3章 民族を引き上げる読書―国民党の文化運動
第4章 行動のための読書―左翼にとっての抗戦
第5章 革命的な読書―連続性のなかの毛沢東時代
第6章 読書熱の両義性―ポスト文革へのあゆみ
第7章 未完の「八十年代」―『読書』時代の終焉
終章 読書の政治学
著者等紹介
比護遙[ヒゴハルカ]
1996年愛知県生まれ。現在、日本学術振興会特別研究員PD(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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