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出版社内容情報
西欧近代の圧倒的な影響のもとで,近代的自我を形成した典型的な日本的知識人のひとり島崎藤村の,「血」と「家」と「人間」をめぐる苦悩に満ちた文学的営みを解読しながら,日本人にとっての「近代の意味」を問い直す,新しい歴史入門の意欲的試み.
内容説明
西欧近代の圧倒的な影響のもとで、近代的自我を形成した典型的な日本人の一人、島崎藤村の営みを解読しながら、日本人の自意識―民族意識―歴史意識のあり様を追求する。日本人特有の一面的「近代」理解の歪みを正すための、絶好の歴史学入門書。
目次
黒い幻の船(「家」の両義性;「幻」を見た人;「時代のデカダンス」;「民族としての意識」;過去の重層性)
エトランジェの声(「生の芽」;「エトランゼエ」;「静物の地獄」;「春を待つ心」;歴史の内発性)
付篇(「道楽」としての歴史学;ビスケットを食べるということ―アジアから見た近代ヨーロッパの顔;牛鍋と菜食主義)