内容説明
天下が関ヶ原において決しようとする頃、剣聖・伊藤一刀斎は、一刀流を託すべく、二人の高弟に仕合を命じた。片や武家より出でし麒麟、片や漂泊の魂宿す牙狼。二匹の獣が絡み合った瞬間、野に迅雷が走った。時は流れ、名も捨て道も捨て流離い人となった一刀斎は、八ヶ岳山中で、狼藉者に襲われた村を救い一人の男児を授かる。だが、その赤子には牙が生えていた。狗神憑きと蔑まれながら、峰を父とし沢を母とし育った少年は、やがて修羅の道へと歩み始める―凄烈なる時代小説の新鋭、遂に登場。
著者等紹介
柳蒼二郎[ヤナギソウジロウ]
1964年、千葉県生まれ。日本大学経済学部卒。広告代理店勤務を経て、屋外広告製作会社を経営。2001年『異形の者』(学研)で第七回歴史群像大賞を受賞しデビュー
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