内容説明
能の大成者世阿弥の苦悩と感動に満ちた劇的生涯「華の碑文」。治政と法の狭間で呻吟する石見銀山の代官井戸平左衛門の苛酷な運命「終焉」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わ!
1
まさしく「読書メーター」に影響されて読んだ一冊です。この前に瀬戸内寂聴さんの「秘花」という、これも世阿弥を主人公にした小説を読んだのですが、その感想文を読むと、幾つか「杉元苑子さんの「華の碑文」と対極的な内容だった」というものがありました。 それが気になって「華の碑文」を読みたい!…と図書館へ行ったところ、全集に載るものしか無かったと言うわけです。 瀬戸内寂聴さんと比較すると、ストーリーとしては杉元苑子さんの方がはっきりしているものの、小説としては、瀬戸内寂聴さんの方が…私は好きですね。2022/01/01
てり
0
「華の碑文」世阿弥の弟視点からの猿楽結崎座の家族の物語。芸に打ち込む父・兄のようす、芸能一家のありようが生々しく語られる。「終焉」江戸享保期石見銀山での井戸平左衛門の物語。シンプルだが泣ける。2021/10/13