杉本苑子全集 〈第1巻〉 孤愁の岸

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杉本苑子全集 〈第1巻〉 孤愁の岸

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  • サイズ B6判/ページ数 362p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784124034448
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0393

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よし

4
江戸中期,幕命により薩摩藩が行った宝暦大治水工事を描いた歴史小説。50年前の作だったとは。この歴史的治水工事も全く知らなかった。遅まきながら、読み終わって、ネットで調べまわった。「住み慣れし 里もいまさら 名残にて 立ちぞわづらう 美濃の大牧」・・「何の気負いも怒りもなく、書き置きすらしたためず自詠の和歌だけを残して自裁した・・」総奉行の平田靭負の句に言葉を失う。「工事は竣工し、薩摩の敗れも従って決定した。・・この敗北を私は憎む。私は怒る!」薩摩武士達の凄さに圧倒されてしまった。2017/08/28

山ちゃん

1
幕命により、木曽三川の治水工事を行った薩摩藩。他藩の為に莫大な資金を工面し、多数の死者や自裁者を出し普請は完成した。しかしそれを成し遂げた後、総奉行は「権力への怒り」で自裁する。 こういう積み重ねが、明治維新に向かったのだろう。読み応えが有った。2021/10/31

*☆*

1
講談社の文庫本の文字が小さく こちらに。非常に読み終わるまでに苦労しました。 現代の人間が 敗れるために何かに汗を流しきれるかと。。多数の犠牲者自害する者を出し続け 莫大な資金を工面し 幕府の命令を成し遂げた直後の惨めというだけでは足りない感情。 杉本先生は 女性なのに色気を借りず 見事なまでに最後まで骨太な文章で 書き上げていらっしゃるなあと感じました。2016/01/24

hiko1

0
有力外様大名の薩摩潘は幕府から目を付けられていた。幕府は薩摩を疲弊させ、虎から牙を抜いて幕府の安全を図ろうとした。幕府は木曽三川の普請を命じる。薩摩潘の家老平田は資金調達をし普請を進めるが、幕府役人や村方の抵抗に遭う。しかし多くの犠牲者を出しながらも普請は完成する。彼らのやった仕事は「水害に悩む民の救い」で意義あるものであった。しかし平田は否定する。それは後世の史家の言うことで、「権力への怒り」がなければこの仕事は続けられなかったと。薩摩潘は敗れた。多額の借金が残して。この怒りが明治維新に繋がったのか?2021/06/05

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