内容説明
藤原北家と醍醐天皇親政により成熟した王朝政治は排斥した道真の怨霊に怯える。巨匠による大人のための「萬画」日本史。
目次
序章 菅原道真の登場
第1章 藤原氏、最後の他氏排斥
第2章 王朝国家の幕開き
第3章 延喜の治と道真の怨霊
付章 怨霊から天神へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
40
怨霊に怯えながら国を動かしていく…それで大丈夫なのか?と心配になってしまうけれど、今の時代があるのだからなんとかなったんだな…と思うしかないが…、いつの時代も権力を握り、国を動かしているうちに初心を忘れて富に走ったり、権力を振りかざしたり…いろいろあるものだ。それが人間なのかもしれないが…。2018/04/30
まあちゃん
7
怨霊ばなしが結構でてきますねー。今となっては学問の神様が、そういうことがあったのかと興味深し。2014/03/24
印度 洋一郎
2
この巻は、平安初期の天皇親政から摂関政治への移行期というところ。親政を続けたい宇多天皇と、影響力を振るう藤原氏との対立の中で、抜擢されたのが菅原道真。この漫画では、特に野心はない学者政治家で政権中枢にある時も、失脚した時も結構淡々としている。むしろ夫人が野心満々だが、これは学説なのか? 道真死後のいわゆる"怨霊"の件は、これだけ政権中枢の人々が横死する記録が残っていると、流石に何か感じるところがある。落雷で焼死というのも随分象徴的だし。作画面ではほとんど板張りの宮中で部分的に畳が使われている変化が見える。2023/07/08
ヘムレンしば
1
宇多天皇に重用されて菅原道真が活躍する時代から、醍醐天皇の元で道真の左遷、藤原時平、忠平が権力を固めるも、飢饉に流行り病、時平一族の不慮の死、清涼殿に雷が落ちて死者が出るなど、怪異な現象が多発した事から起こる怨霊信仰。藤原北家vs菅原道真では、もっとドロドロの権力闘争が繰り広げられるのかな?とも思ってたのですが、菅原道真が文弱に設定されている事もあって、あまりドロドロしてません。何よりも凄いと思ったのは、怨霊の祟りの所で、実際の古い絵巻の絵と漫画を混ぜこぜにして描くという発想が見事!絵巻は萬画なんですね。2015/01/26
ひろかず
0
逆説の日本史のための基礎知識のために。菅原道真のイメージがだいぶ違っていた。日本史は怨霊の歴史ということを改めて実感した。2016/01/04