感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井上裕紀男
22
ヘロドトスによる『歴史』については読んでいても惹かれることがあまり無かったのですが、松平千秋氏の訳も良いのだと思いますが読み継がれる所以が文体にもあるということが分かります。 『戦史』、こちらは戦いの中でうごめく人の生き様や人間とは何かを見つめる記述が興味深い。トゥキュディデスは資産を有する早期退職軍人だったようですが、それだけに冷静且つ思慮深い洞察ができたのでしょうか。 「勝運のうちに鉾を収めるべき」「幸運をしかと逃さぬよう収めておく」など、時間ある時には読み返したい文言も多い。こちらは久保正彰氏訳。2021/12/13