内容説明
無双の忍び・伝兵衛は、大仕事を成す一方、妻との不和に悩み、伊賀攻め後の前途に迷っていた。しかし、鬼神と恐れられる信長に新しき世の到来を感じ、天下分け目の陣場に身を投じていく。はぐれ鳥は、戦国乱世に己の道を見出せるか?―円熟の筆が新たな忍び像を描き出す!
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。サラリーマン生活を経て、78年に『深重の海』で直木賞受賞。その後、織田信長を描いた『下天は夢か』がベストセラーになる。95年『夢のまた夢』で吉川英治文学賞、2005年菊池寛賞受賞。1997年に紫綬褒章を、2003年には旭日小綬章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キャプテン
49
★★☆☆☆_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1580年/戦国時代─本願寺一揆編】「忍び」、それは「裏」を生業にする者たち。歴史の教科書に記されるような「表」があるとするならば、「裏」とは何か。情け容赦のない信長殿が、日本を蹂躙していくその過程で暴かれる「裏」。暴力を持つ坊主「石山本願寺」こそ、信長殿が暴きたかった日本の「裏」かもしれぬ。「裏」は「闇」。闇がある限り、それを操る忍びの者は滅びはしないのでござろう。そして、信長殿が進撃するたび、誰の胸にも膨れ上がる「闇のやいば」。さあいよいよ、「敵は──2017/11/14
優希
44
面白かったです。忍者の視点から戦国時代が描かれていました。表も裏も知っている忍びを通じて見る戦国時代は武将の目を通じて見るのとはまた異なり、興味深かったです、2022/02/08
優希
42
再読です。天下分け目の戦場に身を投じる忍者。戦国に己の道を見つけ出せるかハラハラさせられました。忍者の視点の戦国時代もまた面白いものです。2024/02/09
ぺぱごじら
13
新聞小説は長い(笑)。地元の郷土作家さんだが、実は初読み。「下天は夢か」は新聞でリアルタイムで読んでいたから、全くのお初ではないけど。色んな歴史小説がありますが、方言を会話に採り入れるとたいへん読みづらく平仮名が多くなります。織田信長の興亡を少し離れた所から仕えながら見ていた伊賀忍者のお話。忍法よりは神通力が多く、また神通力を以てしてもままならないものがある。修行の果てに内省的に自分を振り返る場面が好き。ラストは何か道尾秀介「カラスの親指」を思い出した。2016-1822016/12/29
キリン
6
忍者物にしてはちょっと変わってるかな?2018/10/02