中公文庫
食味歳時記 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 269p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122062481
  • NDC分類 596.04
  • Cコード C1195

出版社内容情報

ひと月ごとに旬の美味を取り上げ、その魅力を一年分綴る表題作ほか、ユーモアとエスプリを効かせた食談を収める味覚文学の名篇。〈解説〉遠藤哲夫

内容説明

一月から十二月まで、ひと月ごとに美味を取り上げ、その魅力を綴った「食味歳時記」をはじめ、折々の食談を集めた味覚随筆の名作。明治の横浜に育って以来の食味遍歴を背景に、食文化への鋭い洞察を交え、旬の味覚を率直に語る。

目次

食味歳時記(キントンその他;貧寒の月というけれど;貝類なぞ;春爛漫;美しき五月 ほか)
食味随筆(米の味;魚の味;菊印のマッチ;醤油;胡瓜 ほか)

著者等紹介

獅子文六[シシブンロク]
1893年横浜生まれ。慶應義塾大学文科予科中退。1922年から三年間演劇研究のためフランスに滞在。帰国後演劇活動を開始し、演劇評論を発表する一方、獅子文六の筆名で、小説『金色青春譜』『悦ちゃん』などを発表し、作家としての地位を確立する。37年、文学座の結成にあたり、幹事として劇作、演出に終生尽力した。63年芸術院賞受賞、69年文化勲章受章。同年十二月十三日、七十六歳で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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shizuka

50
食いしん坊が記す料理讃歌。『季節のものがウマいのは、人間が季節の中にいるからである』旬がおろそかにされているのを受けて。『古風な食物というものは、刺激的な味がないところに魅力があり一度は捨てられてもまた思い返されるでのある』白玉など味もそっけもなく若い頃見向きもしなかった食物が、年を重ねるにつれ美味しく感じられるようになった筆者。一年間料理について熱く語った筆者の一言→「長々と書き連ねたが何が好きだの人に語ることがあまり意味のあることとは思っていない。一人で自由に食っていればいいのである』なんというオチ。2016/05/26

AICHAN

35
図書館本。ずいぶん昔、ラジオで面白い随筆の朗読があった。食に関するもので笑えるものだった。以来、その本がどれなのか探しているのだが、いまだ見つけられないでいる。もしかしてこれか? と思ったのが本書。でも違った。それはともかく、読点(「、」)を打てるところに必ず読点を入れている読点だらけの文章に呆気にとられた。読点さえなければ非常に読みやすい文章なのに、読点に邪魔されてリズミカルには読めない。内容は非常に面白いので、そこが残念だった。2019/01/20

たまきら

24
書庫整理中。文士の食べ物随筆にはまって読み漁った20代前半。今になって読むと、食べ物だけでなく「日本の情景」に憧れて呼んでいたんだなあ、と気づく。もう手が届かないもの。まだ、感じられるもの。彼らのフィルターを通す世界に恋していたんだなあ。2018/02/08

18
アジ、鮎、胡瓜、大根、、四季折々の日本の食材。酒のアテに最適な一冊。何が好きだのウマいだの人に語ることがあまり意味のあることとは思っていない。一人で自由に食っていればいいのである、と最後に締めて、食通だけど気取らない感じがよいです2017/03/15

食物繊維

10
獅子文六さんは小説の方でも有名な方ですが、個人的にはエッセイの方が好みに合いました。江戸の名残があった明治期 の食文化も生き生きと書かれていて、心底美味しそうに感じました。令和の現代は便利で、それはそれで好きなのですが 食文化だけでも失われてしまったものの多さに切なくなります。戦時中に疎開していた四国伊予地方の郷土料理がとっても美味しそう。旬の味覚という言葉は後世に何とか残したいものです。2020/03/13

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