内容説明
ヒトラーの呪縛を解く上で、ヒトラーの悪魔化は全く逆効果であり、そのイメージの浸透度を測り続けることが大切だ。
目次
第６章 コミック＆アニメ―デスラー総統はドイツ人か
第７章 トンデモ本―ヒトラーはＵＦＯに乗ってやってくる！？
第８章 文芸―日本文芸におけるナチズムの曳航
第９章 架空戦記―“日本の敵はどいつだ？”
第１０章 インターネット―電脳ナチズムのインパクト
資料編
著者等紹介
佐藤卓己［サトウタクミ］
京都大学大学院教育学研究科教授。１９６０年広島市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。京都大学博士（文学）。東京大学新聞研究所助手など経て、現職。著書『「キング」の時代』（岩波書店、日本出版学会賞受賞、サントリー学芸賞受賞）、『言論統制』（中央公論新社、吉田茂賞受賞）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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HANA
47
下巻はコミック・アニメに文藝、トンデモ本と国産が中心。どれもこれも身近なものばかりで、上巻よりも読みやすかった。一番興味深く思えたのは文藝の項で、純文学からエンターティメントまで幅広く収録されている。皆川博子のナチ物は結構読んでるつもりだったが、まだこれほどあるんですね。逆にトンデモ本の項はホロコーストと歴史修正主義の話題ばかりで、現実的に生々しいというか。参考文献で一番読みたい本があったのもこの項であるが。案外とナチスをネタとして消化できている我が国って、結構健全なのかもと資料一覧を見ながら考えました。2015/06/30
くさてる
14
日本の大衆文化におけるナチズムを分析、解説した内容。下巻は「コミック＆アニメ」「トンデモ本」「文芸」「架空戦記」「インターネット」が対象となっています。自分も分かりやすい分野なだけに、その拾い上げの細かさと丁寧さには脱帽。それでも、もうちょっと掘り下げて欲しいところもありますが、まさにきりがないのでしょうね。それだけ日本に浸透しているナチズムで遊ぶ感覚を知的に理解することの大事さについても、考えたくなりました。読み応え有ります。2015/07/13
臓物ちゃん
8
「わーいナチス！あかりナチスだーい好き！」ヘルシングにムダヅモに広江礼威はもちろん、艦これのドイツ艦やニコ動の総統閣下シリーズまで、日本で愛されすぎて世界がドン引きしてるナチ系サブカルを真面目な考察とともにギッシリ紹介してくれるお得な本。自分は共産趣味者だけど敵陣偵察はしておきたいので、漫画方面が充実した下巻だけ購入。総統のＨシーンがある劇画や総統とアンネ・フランクの恋愛漫画、さらには総統が80年代アイドルを全て予見したと主張するトンデモ本など、よくもまぁここまで集めたなという本ばかり。これはオススメ。2015/07/13
ウェイランド
4
映画とアニメとトンデモ本の章に興味あったけど他の章も圧倒的情報量。巻末の資料も参考になる。2015/10/28
Akito Yoshiue
1
下巻も圧倒的情報量。いろいろと考えさせられます。2015/08/15
