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中公文庫
雲奔る―小説・雲井龍雄

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  • サイズ 文庫判/ページ数 329p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122056435
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

米沢藩士、雲井龍雄は大志を抱き江戸へ出て三計塾きっての俊才とよばれるようになる。幕末の狂乱に翻弄されつつも藩のため東奔西走し、探索方として活躍。しかし、薩摩の一方的な会津鎮撫に激しく憤り「討薩の檄」を飛ばし奔走するのだが…。悲劇の志士として二十七歳の短くも激しい生を閉じた龍雄の生涯を描く傑作長篇。

著者等紹介

藤沢周平[フジサワシュウヘイ]
昭和2年(1927)、山形県鶴岡市に生まれる。24年、山形師範学校卒。中学教師を勤めたのち、31年上京し、ジャーナリストとして活躍する。46年「溟い海」でオール讀物新人賞を受賞したのち、本格的作家活動に入る。48年「暗殺の年輪」で直木賞、61年「白き瓶」で吉川英治文学賞、平成元年、菊池寛賞、2年「市塵」で芸術選奨文部大臣賞、6年、朝日賞・東京都文化賞を受賞する。平成9年(1997)1月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つねじろう

4
雑誌かなにかで、本の読み方に本を自分に読み聞かせる朗読型と単語を写真の様に記憶し理解するデジタル型があると書いてあった。私なんか典型的なアナログの朗読型なので、活字からくる文章のリズム感やビートは無意識のうちに作者を選択している。その点この作者や、司馬遼太郎は本当に気持ち良く読めるし再読に耐える。維新前後に、タイミング的にも地理的にも少し遅れてきた志士を描く、司馬さんの河井継之助といい、この雲井龍雄といい、時代が見え過ぎたばかりに新政府に抗った最後の武士かもしれない。里芋畑で泣くヨシが哀しい。2012/07/16

tegi

2
22年冬に山形旅行に行く際に読んだ。恐らく初めての藤沢周平。米沢の冬の風景を一度でも見知ったうえで読んだので、簡潔ながらも美しく読むものの心に残る描写、そしてそこで育ったゆえの主人公・雲井龍雄の心性をより親しみをもって受け取ることができた。法と論理を超えて権力確立を優先した明治政府への怒りを新たにする。2022/12/01

おい

2
筆者は時代物でなく歴史物もいくつも出していたのか。雲井龍雄自体知らなかったので、時代物と思って手にした。筆者の時代物をイメージして読むとがっかりするかと。 ★★★2022/03/15

狐狸窟彦兵衛

2
藤沢周平の小説ですが、フィクションにみるような「すがすがしさ」はありません。奥州がなぜ「賊軍」に貶められたのか。「勝てば官軍」とはよく行ったものだと思います。共に都を防衛していたはずの薩摩から、かくも追い詰められねばならないとは、どういうことか? そういう無念さが、こころの奥底にしみいってくるような作品です。幕末、明治維新の「かっこよさ」に幻惑されていては見つけられない、「賊徒」のスティグマを押し付けられた人々の憤りに気付かされる作品です。2016/08/17

誰かのプリン

2
雲井龍生の生涯はどこと無く、西郷隆盛に似ていませんか? 本人には謀反など考えてもいなくとも、政府に不満を持っている人々が集まり、最後は処刑されてしまった。 藤沢さんよくぞ教科書にも載っていない無名の英雄を描いて下さった。2015/06/23

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