中公文庫
静かな爆弾

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  • サイズ 文庫判/ページ数 227p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122054516
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

テレビ局に勤める早川俊平はある日公園で耳の不自由な女性と出会う。音のない世界で暮らす彼女に恋をする俊平だが。「君を守りたいなんて、傲慢なことを思っているわけでもない」「君の苦しみを理解できるとも思えない」「でも」「何もできないかもしれないけど」「そばにいてほしい」。静けさと恋しさとが心をゆさぶる傑作長編。

著者等紹介

吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年、長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年「最後の息子」で文學界新人賞受賞、2002年『パレード』で山本周五郎賞受賞、同年「パーク・ライフ」で芥川賞受賞、2007年『悪人』で毎日出版文化賞、大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

155
設定(TV局勤務の俊平と、耳の不自由な響子の恋愛)をあらすじで読んだ時には、「ああ、ありがち、昔キムタクと常盤貴子のドラマでなかったっけ、でも吉田修一だし」期待せずに。ところがやっぱりいい!耳の聞こえない彼女を取り巻く微妙な環境が、次から次へと描写されるところに、恋愛にありがちなふたりのすれ違いもからんできて、一気に読ませる。ただ、ラストがなぁ…これで終わりなの?いいわ、あたしは勝手にふたりが◯◯した、って想像するから(笑)あと、タイトル…あんまりカッコよくない(´・_・`)2015/08/17

じいじ

122
 とにかくエンディングが素晴らし過ぎます。その後の二人の行方は読み手が考えろ!ということなのか――。ふと神宮外苑の小さな公園で出会った男と女。理解して、愛が芽生えて…淡々と二人の日常が綴られていくだけなのに、引き込まれていく。主人公の男に身を任せての読み心地がすこぶるよい。同情ではなく耳の聴こえない響が愛おしくてならなかった。二人の性愛に触れない吉田修一に歯痒さは残るが、それも著者の信念なのだろうと思う。こういう恋愛小説も、私は好きです。2017/04/01

りゅう☆

88
耳の聞こえない響子に恋をした俊平。彼の1人称語りなので響子への思いがだんだん大きくなり、かけがえのない存在になっていく様子は伺えたけど、二人の交際の様子を広く浅く覗いてるような感じ。同じ部屋にいても違う世界を肌で感じる瞬間、音のある世界とない世界との違和感が拭えないのは当然だと思う。その中で言葉一つ一つを大事に伝えていく、それがゆっくりした感じで心地よさはあったが、ラストの響子に対してどうしても腑に落ちずモヤモヤ。でも吉田さんらしいエンディング。純粋に「会いたい」という気持ちが存在するだけでよしとしよう。2016/10/01

hit4papa

83
聴力にハンディキャップのある女性と、テレビ局に勤務する男性が織り成す恋愛小説です。男性をありがちな庇護者として描いておらず、テーマのわりに湿度が極めて少ない作品です。なにより、音で隔絶された二人の出会いのシーンが素晴らしい。タイトルのサイレント・ボムが意味深です(考えすぎか)。2016/07/17

ジュール リブレ

76
読メで読友さんのレビューからたどり着きました。あらすじも何も知らずに開いて読みふけりました。この主人公のバカな男は、どこかで見たことあるような、自分のかつての姿?いくつになっても不甲斐ない。仕事、の一言で全てを投げ出してしまうとは。2020/09/24

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