中公文庫<br> 夢は枯れ野をかけめぐる

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中公文庫
夢は枯れ野をかけめぐる

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  • サイズ 文庫判/ページ数 345p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122054097
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

四八歳、独身。早期退職をして静かな余生を送る羽村祐太のもとには、なぜか不思議な相談や謎が寄せられる。「老い」にまつわる人間模様を、シニカルな語り口と精緻なロジックで本格ミステリに昇華させた、西澤ワールドの一つの到達点。

著者等紹介

西澤保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年高知県生まれ。米国のエカード大学創作法専修卒業後、高知大学助手などを経て執筆活動に入る。95年に本格ミステリ作品『解体諸因』でデビュー。以降、SF的設定と本格推理の融合や、パズラー的推理など、独自の作風で知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダイ@2019.11.2~一時休止

120
連作短編集。介護の問題がメインかなって感じの日常の謎系ミステリー。迷いゴミが一番よかった。2016/08/04

papako

49
西澤保彦強化月間。よかった!50歳を前に退職した主人公と、その周辺の人々の悲喜こもごもの物語。介護や家族ゆえの悩みや問題が、たんたんと、しかし少しの悪意をからめて語られる。連作短編の形式ですが、時間がゆっくり確実にたそがれていく様子がじんわりとしみてきました。この前2冊があわなくて残念だったので、この作品が読めてよかったです!2015/10/17

ぽぽ

33
ずっと健康で、誰にも迷惑かけずに生きていけたら…だなんて理想でしかない、と思い知らされる。介護、孤独死、地方の高齢化に鋭く切り込む。"老い"がテーマと言うこともあり、寂しい、哀しい、虚しいの連続なのだけど、後味は悪くなかった。私の家では、母が義父の介護をしていたけれど、今思えば本当に凄いことだったんだなと実感。実家に帰る度に確実に老いていく両親を思い出し、申し訳なくなってしまう。どうやって年老いていくのが正解なのかな。2017/06/07

coco夏ko10角

32
早期退職した48歳男性が主人公、色んな老人問題がからんだ連作ミステリ短編集。西澤保彦さんの未読作品…と何気なく手にしたけど、ちょうど以前より老後のことを考えることが増えていた時期だったのでくるものがあった。特にラスト…。10年前どころか5年前の自分が読んでも何とも思わなかったかも。でも今の自分はなんだか泣きそうに。2016/05/17

すたこ

30
★★★★★とっても良い作品だった。『老い』をテーマに身近な人間関係が描かれるミステリー作品。探偵や刑事は出てこないけど、話を聞いてくれる「四十八歳、独身の羽村祐太」の人柄がとても好き。彼の周りに飛び込んでくる謎や相談が、今の時代にとても身近な問題で、すごく考えさせられた。連作短編集ならではのラストの章にすごく驚いたしジーンとした。これはオススメ!2019/09/26

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