内容説明
公金横領の冤罪が晴れた元尾張藩士の宗因は、国元へ帰らず京都・高瀬川で居酒屋「尾張屋」を開き、無愛想だが旨くて安いと評判になっていた。一方、娘のお鶴は旅籠「柏屋」に嫁ぎ、忙しくも幸せな日々を過ごしている。ある夜、仰々しい振り袖姿に裸足で歩く面妖な若い女が尾張屋に現れ、客の鰺にかじりつき、じっと宗因を見つめた…。
著者等紹介
澤田ふじ子[サワダフジコ]
昭和21年(1946)、愛知県生まれ。愛知県立女子大学卒業後、教師、西陣綴織工を経て作家に。57年『陸奥甲胄記』『寂野』で吉川英治文学新人賞を受賞。平成16年度京都府文化賞功労賞を受賞。19年には著作百冊を記念し自選短編集『これからの橋』を上梓した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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