出版社内容情報
軽妙なおかしみと鋭い批評眼で、小説・戯曲に劣らぬ傑作ぞろいのエッセイ集。六〇年代後半から九〇年代前半まで、身辺雑記・回顧談を中心に選り抜いた、井上氏の思考のエッセンス。
内容説明
軽妙なおかしみと鋭い批評眼で、小説・戯曲に劣らぬ傑作ぞろいの井上エッセイ。身辺を語るに、笑いの中に真実あり。一九七〇年代から九〇年代まで、エッセイ集一〇冊の集積から選り抜いた、四一篇の思考のエッセンス。
著者等紹介
井上ひさし[イノウエヒサシ]
1934年生まれ。上智大学仏語科卒。「ひょっこりひょうたん島」など放送作家として活躍後、戯曲・小説などの執筆活動に入る。小説では『手鎖心中』で直木賞、『吉里吉里人』で日本SF大賞および読売文学賞、『腹鼓記』『不忠臣蔵』で吉川英治文学賞、『東京セブンローズ』で菊池寛賞、戯曲では「道元の冒険」で岸田戯曲賞、「しみじみ日本乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞および読売文学賞、「シャンハイムーン」で谷崎潤一郎賞、「太鼓たたいて笛ふいて」で毎日芸術賞および鶴屋南北戯曲賞など、受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとむ
8
のらりくらりとした文章の中にも、ハッとさせられた箇所がいくつかあった。特に『淋しい餓鬼大将』が印象的。「働かなくてはならないということは、なんと人間を小さくしてしまうのだろう・・・」確かに、そういった面もありますね。2014/09/13
広瀬研究会
6
近世のおかしな名前を紹介する『名前について』。大毛難有左衛門(たいもう ありがたざえもん)という名前で何度も思い出し笑いしてしまう。一番面白かったのは『わがアイデア母さん』。アイデアとバイタリティにあふれるお母さんの奮闘は、こち亀の両さんみたいで素敵だ。その御母上が「この本の山を父さんと思いなさい」と言ったという『本とわたし』。ちょっとキザだけど、本好きの心には刺さると思います。2020/05/03
Shihomin
5
ユーモア溢れるエッセイ集。 エッセイというジャンルが、そもそも好き。 極上のエッセイはちょっと贅沢な一杯のコーヒーの様。向田邦子さんとか、最近は岸田奈美さんも好き。井上ひさしさんは飽く事なき探究心と猪突猛進ぶりとユーモアが何とも言えず面白い。時間をかけて熟成された味わいのあるエッセイとあれば、締切に追われてやっつけ感のあるものもあり、それもまた人間らしく面白い。表題になっている「わが蒸発始末記」の他、「わがアイデア母さん」、「淋しい餓鬼大将」、「コンチキ・バンバン」あたりが特に好き。2023/10/29
nori
3
短編エッセイ集。井上ひさしのものの見方が面白かった。2013/06/10
subuta
2
筆者の本を読むことへの熱意には、鬼気迫るものを感じる。2020/01/07