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中公文庫
コンクールでお会いしましょう―名演に飽きた時代の原点

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  • サイズ 文庫判/ページ数 201p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122047747
  • NDC分類 763.2
  • Cコード C1195

出版社内容情報

社会的に広く注目を集める国際ピアノコンクール。その歴史と、舞台裏を紹介するとともに、豊かな社会における音楽的感動のあり方を探る。〈解説〉苅部直

内容説明

この「豊かな社会」、常に新しい刺激が求められる現代にあって、今なぜ世界中でクラシック音楽のピアノコンクールがさかんなのか。その百年にわたる光と影を語って、クラシック音楽の感動の原点を探り、その未来のあり方を考える。

目次

第1章 コンクールが始まる
第2章 天才児の世紀
第3章 音楽の普及と技術革新
第4章 音楽と政治―チャイコフスキー・コンクール
第5章 豊かな社会
第6章 鑑賞する欧米とアジアの台頭
第7章 コンクールの舞台裏
第8章 コンクールの運・不運
第9章 コンクールに行ってみよう
第10章 二十一世紀のコンクール

著者等紹介

中村紘子[ナカムラヒロコ]
三歳でピアノを始め、慶應義塾中等部三年在学中、日本音楽コンクールにおいて史上最年少で第一位特賞を獲得。翌年NHK交響楽団初の世界一周公演にソリストとして抜擢され、天才少女としてデビュー。以後、日本を代表する名ピアニストとして活躍する。『チャイコフスキー・コンクール』(中央公論新社)で第二十回大宅壮一ノンフィクション賞、『ピアニストという蛮族がいる』(文藝春秋)で文藝春秋読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミーサ

6
中村さんならではの視点で様々な国際コンクールが語られ、とても興味深く読んだ。ヴァンクライバーンコンクールは、地域あげての一大豪華イベントなのに、優勝者が大成しないとか、名前を冠されたクライバーン自身もその後パッとしなかったとか、知りませんでした。でも、辻井伸行さんは活躍してると思うけど。コンクールも見に行ってみたいな、と思った。2017/11/21

ミー子

5
2021年ショパンコンクールをずっと鑑賞した。しかし私が心から感動した演奏でも落選していく。魂に届く素晴らしい音楽体験ができた一方で、音楽に順位を付ける難しさと矛盾も感じた。そこで、多くのコンクール審査員を務めた筆者のこの本を読んだ。審査の難しさも書いてあるけど、現代社会での音楽コンクールの存在意義もよく分かった。多くのピアニストの本気の演奏を聴き比べて、自分の求める音楽的感動を発見できること、音楽から「魂の糧」を受け取れる場であることも、今回ショパンコンクールを通して鑑賞し、本当にそうだったと思う。2021/10/30

ヤマセミ

5
文明論にまで及ぶスケールの大きな内容に、さすが中村紘子さんとうなった。コンクールの成立や変遷、将来について、さまざまなエピソードや課題がわかりやすく語られていた。クラシック音楽の感動をいかに守り育てていくかという使命をもって、活動されていたことがわかった。2017/05/30

Ernest

4
短い本ながら、コンクールの歴史、音楽を楽しむ人々の歴史、ピアニストの行く末、様々な点からコンクールについて論ずる本だった。人間が関わっている時点で公平な審査なんて無いし、コンクールで1位をとった人がその後活躍するとは限らない。「名演に飽きた時代の原点」とはどういうことかと思ったが、なるほどこういうことか。CDの普及とコンクールの広まりの影響で人々の耳は名演に慣れて、それ以上の刺激を欲するようになった。けれど、中村さんのいう通り、本来の音楽的感動を大切にできると良いな。2019/11/04

suiu

3
コンクールの歴史がわかる。 他のピアニストや音楽評論家の本に比べると、 格段に文章がうまく、読ませどころを分かっている。2013/07/07

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