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中公文庫コミック版
平安情瑠璃物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 197p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122045286
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C1179

出版社内容情報

源氏の若武者とその従者が織りなす哀切の歴史ロマン。孤独だった二人は運命的に出会い、長く厳しい旅路で信頼以上の感情が芽生えるが…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

詩歌

15
そこに石鹸の清潔な匂いなどしない。戦と汗の移った鎧紐や、野宿の焚き火の臭いの方が身近だろう。屈辱も伝い落ちる雨水のようにやり過ごし、互いの強い感情と執着で厳の上に立つ主従二人の姿。竹宮さんの筆致は苦しみを艶に、哀を恍惚に描く。時は治承五年、源義朝の弟、志田義廣による頼朝に対する蜂起の隙間を漂う物語。2014/11/21

ちゃりんこママ

10
押入れから引っ張り出して再読。さすがの竹宮先生。今回「浄瑠璃」の意味を再考して再び感心してしまった。野天の河原で激しく、木賃宿で雑魚寝する2人が手を握り合う情交シーンは印象的。再版が無いけど、規制があったら、この危険で深い情念の世界は描けない。辛いところね。2014/05/04

まりもんママン゚+.*ʚ♡ɞ*.+゚

7
これを随分前に読んだのに感想を書くのが辛かったので白紙のままでした。これはBLではない。もう辛くて辛くて嗚咽しながら読んだ。読み終えてしばらくウツになるほど苦しかった。でもさすが竹宮先生だとリスペクトします。風木も壮絶だったけどこれも凄い。2010/09/19

荒野の狼

5
竹宮惠子のマンガ「吾妻鏡」と、そのスピンオフで作品「平家落人伝説 まぼろしの旗」が大変面白かったので、同時代を扱った本書「平安情瑠璃物語」を購入。著者は「吾妻鏡を描いたときに、その行間から思いついた物語」としているが、本作は、頼朝の叔父にあたる源義広(みなもとのよしひろ)=志田先生義広(しだせんじょうよしひろ)の架空の落胤の少年、志田十六朗廣信(ひろのぶ)が主人公。義広はマンガ「吾妻鏡」の上巻に名前だけが登場(同書、中公文庫p133、180,217)。本書でも義広の名前のみが出てくるが、本人はでてこない。2023/12/25

ebi_m

4
源氏の落胤で美しく気高い槐丸と、彼のたった一人の従者となった左中太の物語。90年代の作品で(こう書くと怒られるかもしれないが)割とBLに近い雰囲気。BLはやはり二人の関係性に萌える作品だと思う。二人がどんどん墜ちていく過程といったら。竹宮作品は(これも怒られるかもだが)主従SMっぽいのが多いけれど、これは美女と野獣なのがポイントで、槐丸の「きれいだ…」も相手があれだから生きる台詞だと思う。前半と後半で槐丸がキャラが違ってしまっているのが墜ちっぷりを現しているようでまた切ない。2009/08/05

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