中公文庫<br> 中国文明の歴史〈4〉分裂の時代―魏晋南北朝

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中公文庫
中国文明の歴史〈4〉分裂の時代―魏晋南北朝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 435p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122036550
  • NDC分類 222.01
  • Cコード C1122

内容説明

漢帝国滅亡後の中国は、麻のごとく乱れる。三国・五胡十六国・南北朝と、政権は文字通り四分五裂。ために曹操・孫権・劉備・諸葛孔明など豪雄の輩出をみる。一方、西方から仏教がもたらされ、道教が興る。わが女王ヒミコの名が魏の都洛陽に聞こえるのもこの時代である。

目次

序章―秦漢帝国と隋唐帝国の谷間
三国の鼎立
西晋から東晋へ
民族の大移動
法顕渡天求法
北魏の華北統一
洛陽伽藍記
江南の開発
南朝四百八十寺
ヒミコと倭の五王
民族の宗教と芸術

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

2
一般的に通史では政治史・制度史に偏りがちになるが、本書では宗教についてかなり踏み込んだ箇所が多い点が特徴的といえる。特に法顕の仏典を求めての印度紀行は大変印象的であった。下手な旅行記よりも余程手に汗を握らされた。全体としてこの時代は一言で表現するなら、「やり過ぎ」な時代であったのではないかと考える。古代崩壊後の陽に陰に混沌めいた様相は洋の東西を問わないことにこの時代の特異さが感じられる。2013/03/04

kokekko

2
受験生時代、分裂時代の中国が大嫌いだった。中国史が苦手で、しかもそれが分裂していて、覚えるところも多いという三重苦状態だった。分かるようになりたくて手をつけた三国志も、漢字ばかりで(当たり前だ)投げてしまった。今になってこの時代の体系的な理解を求められているため、必死で食いついている。一つ言えることは、世界史Bの教科書では、この時代の歴史がこんなスペクタクルに満ちたものだとは教えてもらえなかったという事だ。頭のいい人がたくさん活躍した時代だったのだな。2010/06/09

aki

1
本書には直接関係がないが、読んでいるうちに「倭国」誕生の理由に思い至った。1世紀、漢の光武帝からもらった金印には「漢委奴国王」と記されていた。倭ではなく委。いつ委から倭に変化したかといえば、おそらく卑弥呼の時代だ。当時の中国の王朝は魏で、卑弥呼は宗主国として仰いでいた。魏のヘンは委。魏と委を比べると、委のほうが格上に見えないか。文字に敏感な卑弥呼は「にんべん」をつけて倭と国号を変更することで、恭順の意を表したわけだ。鬼がつくった魏に対し、ヒトがつくった倭。絶妙の国号としか思えない。2009/05/20

ELW

0
 仏教と法顕についての記載が詳しい。揚子江上流という書き方が古い本らしい。皇帝独裁、科挙官僚、宦官、外戚というよりは、孤独な皇帝、弱体化した貴族、恩倖という構図が却って新しかった。北方反攻のような国是が必要だったのか。2015/04/06

MIRACLE

0
『中国文明の歴史』全13巻は、人物往来社『東洋の歴史』を、文庫化にあたり、改題したシリーズで、第4巻にあたる本書も、実際には1967年の刊行である(つまり、50年前の作品)。本巻は、秦漢と隋唐のはざまの、約350年間の歴史(3世紀から6世紀末)をあつかっている。宮崎市定『大唐帝国』も、魏晋南北朝から隋唐までの時代を、「中国の中世」と位置づけていて、時代は重複している。唐王朝の前後は、王朝の変遷が複雑なので、全体像の理解には、後者が有益である。2015/02/11

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