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中公文庫
日本語の美

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  • サイズ 文庫判/ページ数 213p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122035720
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1195

内容説明

「私にとって日本語は外国語ではない」―愛してやまない“第二の祖国”日本。日本人の気づかないことばの特徴や、三島由紀夫、司馬遼太郎ら作家達との交流、能・狂言の魅力、更にはライシャワー教授のことなど、日本文化の特質を内と外から独自の視点で捉え、卓抜な日本語とユーモアで綴るエッセイ集。

目次

禁酒の時代
国際人志願の方々へ
明治時代の文章
漢字廃止論
日本語廃止論
言葉の永遠性
方言と文学
方言賛否
外来語の氾濫
国際語としての日本語〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

33
○日本語を母国語としていなかった人でありながら、言葉に関する感性の素晴らしさをエッセイを通じ感じる第1部、日本文学者たちの洒脱な評論の第2部、広い視点からの第3部すべて面白かったです。「技師の義姉の義歯」「ライシャワー教授のこと」「司馬さんと私」「中村紘子さんのこと」「「死」を語る」「ライフワークの後で」が良かったです。2022/08/14

壱萬弐仟縁

24
キーン先生は、日本人以上に日本人という方。 先生が通訳案内士2次試験の面接官だったらいいのに・・・。 1980年代、90年代のご論稿。 日本語や漢字を廃止する議論もあったようだ。 しかし、鈴木孝夫先生の日本語教という考えもある。 江戸の蘭学者、大槻玄沢はアルファベットの学びやすさ。 森島中良『紅毛雑話』では漢字を非難。 司馬江漢は記号だけで「天地の理」を勉強できるとした(18頁)。 前島密は徳川慶喜に「漢字御廃止之議」を奉った(19頁)。 今の中高生で漢字が苦手な人は多い。 彼らに賛同するんではないね? 2014/04/04

19
帯文のように日本文化論及び日本語について語られた(日本語を操る非日本語圏出身者の)エッセイだという捉え方をするのは大きな間違い。「第二次世界大戦の時代に青年期を迎え、主として昭和の時代に文壇に関わりながら生活した人」のエッセイであり、昭和の文学、文壇の人々についてのもの、個人的な旅行記や少年期・青年期の過去の回想についてがメイン。三島由紀夫・安部公房・司馬遼太郎についての言及一部有り。キーンさんの幼年期・青年期の回想についての文章では行間から溢れるものを感じることができ、こみ上げてくるものがある。2016/09/21

海恵 ふきる

9
日本文学の世界的権威が、日本語にまつわるあれこれを自身の体験に絡めて綴る。海軍の語学専門職として従事した経験があることや、日本語よりも中国語を先に学んでいたらしいことには驚かされた。数々の文学者との交遊録は、読んでいるだけで彼らの人となりが手にとるように想像できた。ライフワークとなった『日本文学史』の編纂後も尽きることの無かった探究心には、頭が下がるというよりも畏怖を感じる。本書のあとがきは、氏の「私にとっては日本語は外国語ではない」という言葉によって締められている。なんて格好良いんだ!目頭が熱くなった。2021/10/11

まっちゃん2

9
キーンさんテレビで時々拝見して流暢な日本語と暖かそうな人柄に興味をもっていました。図書館でキーンさんの全集をちらっとみて、その名文に衝撃をうけ、いつか著作を何冊か読んでみたいと思っていたところへの訃報でした。この書がはじめてでありますが「素敵な本」でありました。何度か読み返そう。2019/04/07

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