出版社内容情報
思春期を境に生ずる男女の美の変化、天成の麗質に研きをかける女性的美への倦むことのない追求を描く「女人神聖」「創造」「亡友」。〈解説〉千葉俊二
内容説明
男女両性の長所から生命の芸術をクリエイトする「創造」、谷崎の府立一中時代の友人・大貫晶川をモデルに描く「亡友」と長篇「女人幻想」―器量よしとお洒落とで評判の兄妹。思春期を境により美しくなってゆく光子、女性的の美を羨みこだわり続ける由太郎は、女を騙すことばかり覚えて…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
42
「女人幻想」と副題がありますが、三つの作品が収められています。私にはちょっとやはり苦手な感じがしました。「創造」というのは優生学的な観点を文学にしたような気がしました。「女人神聖」はやはり人間の美というものを男女に分けて考えてそれが年を経るとともに、どのようになっていくかの実験的な感じの小説でした。2015/03/31
訪問者
5
この巻のテーマは女人幻想。だが、「女人神聖」はタイトルとは違い、谷崎らしいろくでなし男の物語。2019/06/03
たまうさ
5
『女人神聖』が、どーしようもないダメ男のどうしようもない生き様を飽かせる事もなく読ませてしまう谷崎の筆力を堪能させる。しかし、作中の女人たちにちっとも「神聖」さが無いのに、このタイトルはなにゆえ?女の美が神聖だとでも言うんだろうか?2017/01/27
涼
2
75点。短編「創造」、「亡友」はイマイチ。中編「女人神聖」が良い。 ただ、結末があっけない。もう一捻りあると思ったのに。 光子にしても、叔父はもっと悪い計画があったのでは?と、肩透かしをされた感じ。 2024/04/19
rinakko
1
美貌の兄妹を描く「女人神聖」がよかった。2013/01/21