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中公文庫
潤一郎ラビリンス〈5〉少年の王国

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  • サイズ 文庫判/ページ数 297p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122032477
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

子供から大人の世界へ、現実から夢へと越境する少年を描いた秀作。「小僧の夢」「二人の稚児」「小さな王国」「母を恋ふる記」など五篇。〈解説〉千葉俊二

内容説明

おとなの世界へ足を踏み入れていく少年を主題にした佳作「二人の稚児」「小さな王国」「母を恋ふる記」「惑る少年の怯れ」と、全集未収録作品「小僧の夢」の五篇を収める。少年期の縹渺たるころの、無意識的なまま性にめざめる純粋な姿を豊潤な筆致で描き出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

33
表題作は読むたびにいつも薄ら寒い感じを受けます。書かれた当時は虚構の世界ということがはっきりとわかりますが、今の世界ではありそうな感じがしてきます。この間は結構読むのに骨が折れた気がします。どろどろした感じはないのですが、なんというかじわっと迫ってくるものが読んでいて感じられました。2014/12/09

こうすけ

16
少年、をテーマとする作品を集めた谷崎短編集。ゆるさ一切なしの良作揃い。個人的に『母を恋ふる記』はそれほどだったけど、描写はすごかった。『細雪』みたいな長いのよりも、短い小説のほうが良い気がする。2023/03/08

スリーピージーン

13
一粒の上等なチョコレートをゆっくり口の中で溶かして味わうような気分にさせられる格調高い文章です。この巻は主人公が少年たちの短編集。昔『小さな王国』を読んだときの衝撃を思い出し、再読しようと手に取った。少年の、現実と幻想の世界を行ったり来たりするような不思議な浮遊感のある「小僧の夢」「或る少年の怯れ」がとても面白かった。偉そうな芸術論を展開して驚かせるが、あっさり魔術団に眠らされる小僧さん。どんな大人になったのでしょうか。2015/06/26

蛸墨雄

8
思春期を迎える前くらいの少年が主人公になった短篇5編。恋、女性への憧れ心が芽生えるその直前の少年の心理描写などが楽しめる。谷崎はひょっとすると彼らのことをも愛していたのかもしれないなどと思ったりもした。2018/02/22

桜もち 太郎

4
「二人の稚児」「小さな王国」「母を恋ふる記」は何度も読んだことある作品だ。「小さな王国」は一人の貧しい教師と教え子たちが、一人の悪童に感化されていくという独裁主義をほうふつさせる怖さがあり、映像化されると面白いと思った。「或る少年の怯れ」は初めて読んだが、これも兄が妻を殺したのかどうか、という弟の想像がゾッとさせるものがあった。またまた谷﨑潤一郎に引き込まれてしまった。2013/07/16

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