内容説明
1960年代初頭、2度にわたって、カナダ北西部の寒冷地に住む狩猟民ヘヤー・インディアンの世界に入り、彼らとともに暮らし、実地調査を行なった若き文化人類学者が、その得がたい体験、フィールド・ワークの全過程を詳細に記録する。冒険にみちた調査旅行記。
目次
1 きまった北地調査行
2 カナダへ向う
3 インディアン集落にはいる
4 ヘヤー・インディアンの歴史
5 丸木小屋に引越す
6 ヘヤー語を習う
7 日本人マスズミ・ヒロキ氏
8 北極海の町・イヌーヴィク
9 ふたたび北地へ
10 マッケンジー河で魚とり
11 2度目のフィッシュ・キャンプ
12 コルヴィル湖行き
13 零下50度のテント生活
14 冬の夜の物語
15 結婚と養子の制度
16 極北の星座
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みわ
1
去年神保町の古書店で購入したまま読まずにいた本。卒論に本腰を入れるにあたってアラスカや北西カナダの先住民のことは是非とも知っておきたかった。人口約300人というかなり小さな部族であるヘヤーインディアンだが、その習俗や生活習慣は他のインディアン部族やエスキモーと被るところも少なくはないだろう。ここまで現地の人々の生活に踏み入ることができたのは、著者の人柄がなすところも大きいのではないかと感じた。2023/07/04
志村真幸
0
1979年に玉川大学出版部から出た単行本の文庫化。 著者は文化人類学者。1960年代前半に北米最北端のアメリカ先住民であるヘヤー・インディアンをフィールドワークした記録が本書となる。ただし、学術的な側面は別の著書にまとめられており、本書は随筆・旅行記的な側面が書かれている。 過酷な地であり、現地を訪れ、滞在するだけでも大変だ。しかも、現地のひとたちに受け入れてもらうには非常な苦労がある。しかし、そのあたりのつらさをからりと書いてみせる。そのあたりに魅力がある。2019/03/15