感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
柳瀬敬二
3
読んだのは中公叢書版。巻末になんと河合隼雄や土居健郎との対談がついていたがこれは文庫本にもあるのだろうか。78年に出版された本とはいえ、幾多の名著に違わず、この本も書かれていることのほとんどは21世紀でも当てはまる。今自分の足が踏みしめている世界がどういうものなのか、自分が社会の中でどういう立ち位置にいるのかを理解したいと思っている人にはこの本が大きな助けとなるのは間違いない。土居健郎の言うように、問題を無意識下で抑圧することと、自覚して受け入れることとは大きく違うのだから。2014/09/10
コウみん
2
戦後の日本人の意識変化について書いた本。 バブル時代頃に執筆されたので結構バブル世代、新人類世代の特徴に似ている面も多かった。 戦前生まれと戦後生まれの違いとか現代の日本社会ととてもぴったりだった。 2019/03/23
ステビア
2
社会批評の本だった2013/09/06
tooka
2
「最近の若者は~」という言説に対するカウンターとして本書を用いるのはもったいない。モラトリアム人間(四無主義、しらけetc)を批判しているのではなく、事実関係を検討した後、モラトリアム人間を前提として社会の処方箋を提示する。「問題だから修正する」でも「昔に戻る」と懐古趣味に陥ることもなく、モラトリアム人間の社会に占めるシェアや生まれやすい土壌を資源として捉え、今をどうすればよりよい日本社会になるかを論じている。2011/09/29
し、も、だ、
0
多分だけどあまりにもテーマが私の鳩尾殴り過ぎて、逆に読み込めていないのだと思う。常時仮の姿のまま生きて、さらには死んでいこうとする。そのなにもかもにかけているフィルターを、はたして取られたいのか取られたくないのか。本書解説の最後に、それぞれの読者によって読み方が違い、様々な結論を出してくれることであろうなんてことか書いてあるけれど、モラトリアム人間は結論に近づくのが一番苦手なのです。2014/08/21