感想・レビュー
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棕櫚木庵
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少し前,読メで「芋代官」の話がでて,少し調べたら,井戸平左衛門正明(1672--1733)について何も知らないことに気付き,さらにこんな本があるというので読んでみた.▼冒頭,まだ幼さを残す孫娘お寿栄と蔵之助のじゃれ合いめいたやり取りが楽しい.それによって,赴任先の石見が,いっそう暗く貧しく感じられる.だだし,井戸平左衛門は大岡越前守の信頼が厚く,この人事は左遷ではなく抜擢であったという.既に衰退期に入り,さらに前任の役人の不正も疑われる銀山の立て直しを期待されたのだった,と.2020/07/19