感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっと
5
歴史随筆。榎本武揚が好きなので、榎本配下で旧幕脱走軍の中にいた女性通詞のことや、やせがまんの記で榎本を糾弾しながら、反乱軍の首謀者として牢内にいたころにいろいろ釈放のために尽力した福沢諭吉との関係やら、榎本の死後に食を断った実姉の話など、興味深かった。あと、今昔とわず映像化されている座頭市があんなに短い小編だったとは驚き。2015/11/18
ume-2
2
「考証要集」に何度も書名が出てくる本。あの座頭市の原作とされている編もありますが、10ページ程のしかも伝聞様です。座頭市はここから凄まじい膨れ方です。新聞記者であった著者の、足で稼いだ情報のメモという意味での「ふところ」でしょう。江戸の剣客、維新の榎本武揚、勝海舟、江戸本所深川、維新後の御家人等、真に生きている描写ばかり。着色されていない白黒の、麻服の時代劇を見ているようです。不勉強で、表題から躓く「股肱」や「渋団扇」他、検索ばかりして読書が進まない。当時を知り、失ってしまった「粋」を感じる貴重な資料群。2022/07/17