• ポイントキャンペーン

中公文庫
背教者ユリアヌス 〈中巻〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 361p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122001756
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

汚れなき青年の魂にひたむきな愛の手を差しのべる皇后エウセビア。真摯な学徒の生活も束の間、副帝に擁立されたユリアヌスは反乱のガリアの地に赴く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

292
それまでは哲学の徒であったユリアヌスが、ローマの副帝としてガリアへ。物語は、このあたりから俄然面白くなる。それまでは、全く経験がなかったが、ユリアヌスは軍事でも行政でも天才的な手腕を発揮する。しかも、そこには彼の理想「ガリア人の幸福の実現」が掲げられていた。それは世俗的な理想だが、ローマの版図に入ることがゲルマン人、ガリア人、ローマ人のすべてにとっての幸福であると彼は信じたのである。辻邦生のキリスト教観はわからないが、少なくても、ユリアヌスに託されたそれは、教会の解く理想とは相いれないものであっただろう。2016/07/09

Gotoran

51
4世紀のローマ帝国の皇帝で固有の神々に帰依し純粋無垢な宗教心と古代からの自国の神々への信仰を貫き、キリスト教に対する優遇を改めようとしたため「背教者」と呼ばれたユリアヌスの30数年の生涯を描いた歴史小説ファンタジー。本書(中巻)では、穢れなき青年ユリアヌスの魂にひたむきな愛の手を差し伸べる皇后エゥセビア、真摯な学徒の生活もつかの間、副帝に擁立されたユリアヌスは、反乱が起こっているガリアの東へ赴任するまでが描かれている。最終の下巻へと進みたい。 2021/03/25

ぐっちー

25
哲学の道に邁進し、野心など欠片もない青年ユリアヌス。運命は皮肉で、遂に副帝としてガリアへ征く。無垢で純真な心のまま戦を重ね、ガリアを再び帝国の支配下へと回復させる。軍事的 政治的才能がここにきて開花。その裏には皇后への叶わぬ思慕があり、痛々しい。宮廷官僚があの手この手で足を引っ張るが、その度に罠を打ち破ってゆくユリアヌスの清さが鮮烈であり、危うげでもあり。ペルシア方面が危急を告げる下巻へ。2015/05/02

ケイ

19
ユリアヌスに思わぬ味方ができ、話がどんどん展開していった。ユリアヌスをはめようと策を弄する人々に都合よく話がまわり過ぎで、あまりにだまされやすい皇帝にもイライラさせられるが、史実に基づいて書かれているのだから、実際にこのようなこともあったのだろう。ユリアヌスのまわりの女性のはかなさにも心がうたれた。下巻ではどのように皇帝になっていくのか楽しみに。2012/07/08

こぽぞう☆

14
学究の徒から囚人にそして副帝へ。ユリアヌスの考えることはずいぶんと近代的な気がする。初期キリスト教会の頑迷で洗練されない感じ、日本人だから書けたのかもしれない。2017/03/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/502571
  • ご注意事項