中公新書ラクレ<br> 福井県の学力・体力がトップクラスの秘密

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中公新書ラクレ
福井県の学力・体力がトップクラスの秘密

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121505088
  • NDC分類 372.144
  • Cコード C1237

内容説明

注目が高まる全国学力テスト。秋田と福井がツートップだ。体力テストの結果も合わせると、福井の強さはきわだつ。その秘訣を探るべく、(学力下位の)大阪の教育学者が教師、親、生徒を徹底取材。「鍛える文化」「群れる力」「あたりまえのことをやる」環境など、学ぶべき点は多い。

目次

序章 「群れる力」を育てる―福井の教育の良さ(志水宏吉)
1章 福井の小学校―「一時一心」の魅力(川畑和久)
2章 福井の中学校―「あたりまえ」を積み重ねる(野崎友花)
3章 福井の教師―学校を支える「まじめさ」(中村瑛仁)
4章 福井の家庭と地域―子どもとつながる・子どもでつながる(前馬優策)
終章 福井から見えてくること(志水宏吉)

著者等紹介

志水宏吉[シミズコウキチ]
大阪大学大学院人間科学研究科教授。1959年兵庫県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育学博士)。東京大学教育学部助教授を経て、現職。専攻は学校臨床学、教育社会学

前馬優策[マエバユウサク]
大阪大学大学院人間科学研究科講師。1983年生まれ。2006年大阪大学人間科学部卒業。専攻は教育社会学、テーマは学力格差問題(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

20
福井県には学力で全国平均を下回る中学が一つもなく、これはありえないことだと言う。子供達の学力と体力の底固さは、福井の学校と地域に一体感があり貧困層が少なく、生徒や教師の「均一性」が高い水準で保たれているから。それゆえ、先生の話を聞く、部活に精を出す、皆が仲良くするなど所謂「当たり前」のことが当たり前に行われやすい。子供のために学校・地域が繋がり、さらに子供が大人達を繋げる好循環がある。欠点はその均一性の裏返しで多様性の不足や、その均一性から漏れた子供の対処と言えるが、その良さに比べたら小さいことと思える。2019/09/17

さとむ

15
これまであちこち放浪してきて、すれ違いざま何度か地元の小学生や中学生に挨拶をされたことがある。しかも、元気よく堂々と、あたり前のように・・・。すれ違う人が限られる地方の街ならではともいえるけど、挨拶の大切さを学び実践し続ける点がすばらしいと思う。何でもありの世の中にあって、教える・教わる相互の信頼関係や家庭・学校・地域の連携がますます必要になっているんだろうな。2015/01/05

テイネハイランド

13
図書館本。大阪大教育学の5人のチームメンバーによる共著。日本でも有数の"教育立国"である福井県。小・中学校などの教育現場での取り組みを丹念に取材し、他県と比べての優位性の背景についても簡潔かつ多面的に分析しており、興味深く読めた。子供たちを健やかに育てようとスクラムを組んで熱意を注ぐ人々の様子が読む側にダイレクトに伝わってきて、大変眩しい思いをした。それにしても、こういう本を読んで感じるのは、福井県に限らず、小・中学校の教師の仕事量の多さ/きつさの問題である。かなり過酷な職場であるのは間違いない。2016/09/20

プレイン

8
福井県は小中学校の学力、体力が全国の秋田県と並ぶトップクラスである。秋田は対話型の授業が中心で子どもら会話力や対話力が高いのに対して、福井では教師主導の伝統的な教育をもって子どもらが高い規律や礼儀、集中力が鍛えられている。他県では遠泳は25m泳げればOKとするところを200m,600mまで高い目標を立て全員が泳ぎ切る。教師はもちろん保護者や地域の人間が子どもたちをサポートする環境にある。大都市部を除けば他県の地方都市も同じような体制は取れそうにも感じるが福井にしか出来ない。教師の質、三世代等がキーのようだ2015/05/01

totuboy

8
結局のところ、当たり前のことをしっかりとやって、それを「見届ける」ということが大切。じゃあ、そのための時間が教員にあるかといえば、なかなか厳しい。先進国の中でも日本の教員は最も忙しいと言われる。だから地域の力が大切になってくる。学校だけではなく、だれもが子供を育てていくという意識を持つことが重要。また、教員にこれだけのことを求めるなら、「やりがい」以外にも何か報酬がないとなかなか厳しいのではないか?2014/10/12

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