• ポイントキャンペーン

僕と彼女の左手

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120050411
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

彼女の左手が紡ぐ悲しくも優しい嘘は、最後に僕を救う。若手注目作家・辻堂ゆめが描く、甘く切ない青春&恋愛ミステリ!

内容説明

「明日から私の家庭教師をしてください」幼い頃遭遇した事故のトラウマで、医者の夢が断たれた僕。そんな時に出会ったのは、左手でピアノを奏でる不思議な子・さやこだった。天真爛漫な彼女にいつしか僕は恋心を抱くようになるが、同じ時間を過ごせば過ごすほど、彼女の表情は暗くなっていく。彼女はいったいどんな事情を抱え、僕のところへきたのだろうか。その謎が解けたとき、僕らはようやく最初の一歩を踏み出すことができる―。繊細な心理描写&精密なミステリを融合した、辻堂ゆめの傑作!

著者等紹介

辻堂ゆめ[ツジドウユメ]
1992年神奈川県生まれ。東京大学卒。第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し『いなくなった私へ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

213
辻堂さん4冊目。少年時代に遭遇した事故のトラウマを抱えた医学生・習と、右手が不自由で左手だけでピアノを演奏する・さやこの青春物語。途中までのピュアでド直球な恋愛にオジサンとしては恥ずかしくもあったが、中盤からの不穏な展開に「二人が上手く行きますように」と祈るような気持ちで読み進めたのは、正に著者の術中にハマった証拠。何より健気で前向きに生きるさやこが良くて、娘を無条件に愛してしまうバカ父親の心境(苦笑)。終盤で明かされる真相は巧いミステリとして成立していて、単なる「胸キュンもの」では終わらないのが憎~い!2021/05/18

のっち♬

187
「世の中の『普通』に比べると音が少ないかもしれないけど、そのものだけを評価すれば、これだってれっきとした音楽だと思うんです」それは紛れもない演奏だった—右手が動かないさやこのピアノに対する純粋な想い、姿勢が印象的。「右手を失ったからこそ分かる左手の良さっていうのもあると思うんです」次々と明かされる真実と並行して、健気な彼女により、自分自身と向き合い物事を好意的かつ前向きに捉えられるようになってゆく習の心的変化も焦点。ミステリー仕立ての二人の再出発への物語は、春の芽吹きのような温かく爽やかな心地よい読後感。2020/01/29

156
読後感が爽やかで良かった。右手が使えず左手だけで弾くピアノとはどんな感じなのだろうと調べると舘野泉さんという方の演奏があったり「左手のためのピアノ協奏曲」があったり本書のおかげで新しい発見が出来ました。時田習に救われたさやこ、さやこに救われた習、きっと誰でも人は誰かを救っているのかもしれない。そんな希望を持たせてくれる作品でした。 2021/07/07

ムーミン

147
途中悲しいゴールに向けての展開になるかと、はらはらしながら読んでいましたが、素敵な結末で温かな気持ちになりました。2021/03/01

モルク

141
過去に列車事故に遭い父親を亡くし、その事故のトラウマを抱える医学生の主人公。そして、その前に現れた生まれつき右手の使えない女性。彼女が左手だけで弾くピアノの調べ…本当に曲が流れているような印象を受ける。そして、ふたりの出会いは決して偶然ではなかった。彼女がついた嘘と明かされる真実。ふたりが抱え込んでいた過去がその時融和する。出来すぎ感もある恋愛小説ではあるが、たまにはこんな爽やかな青春ものもいい。2018/10/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12543788
  • ご注意事項