出版社内容情報
芸術は、カネだ――天才ファンドマネージャー・江波志帆が、日本の美術市場を食い荒らす。書き下ろし芸術経済小説。
内容説明
日本画最後の巨匠・門馬岳雲の作品が、クリスティーズのオークションで売り飛ばされた。それも、日本では考えられない安値で。これを契機として暴落する日本の美術市場。仕掛け人は、天才ファンドマネージャー・江波志帆。彼女の狙いはいったい…。グローバル化の波が押し寄せる美術市場で、画商たちの戦いが始まる!
著者等紹介
里見蘭[サトミラン]
1969年東京都生まれ。早稲田大学卒。2004年『獣のごとくひそやかに』で小説家デビュー。2008年『彼女の知らない彼女』で第20回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
32
★★☆☆☆ 美術品の売り買いのあれこれを扱ったエンタメ小説。原田マハさんの美術ものを期待して読むと全くそんなことはない。こういう世界もあるのかという新鮮さは感じたものの、興味がわいたかといえばそういうわけでもなく。美術品への愛着はあるものの、ここまでするかというほどの彼らの考え方は到底理解の境地に及ばない。やっぱりそういう人たちって特殊な存在ではあるんだろう。これなら黒川博行さんの美術もののミステリの方が面白いかなあ。よく調べて書かれているなあという感心はあったけれど。2015/08/07
kiyoboo
20
「さよならベイビー」やテレビドラマなどの作家という印象で読んだらびっくりするぐらい絵画に特化する作品だった。亡き兄から画廊を引き継ぎ、同じ業界のドン的存在のワンマンな父に反発を覚えながらの真治。序盤は静かに物語が進むが徐々に謎の女に振り回されていく。なぜそこまで追いつめられるかわからないので先を読ませる。父との確執も最後に聞ける「子供を嫌う親がどこにいる?」で和解できる。その後、慎重だった真治が派手になり、後は予測がつく展開になる。参考文献の数がすごく一つの作品ができるまでの苦労が分かる。結構楽しめた。2016/04/27
深青
18
美術界も画商の世界も興味深かったというか…すごい特殊な世界だなと思ってしまいました。普段知らない世界を覗けて楽しかったですが、専門用語が多い...そこは取っつきにくかったです。2016/04/13
nyanco
12
新野剛志さんが敷居を低くしてくれた「明日の色」、今回は老舗・ギャラリーが舞台となりギャラリストの仕事ぶりを楽しみにしていました。いきなりクリスティーズのオクーションから物語が始まり、ギャラリスト達により芸術に値段がつけられ価格調整されていく。かなり華々しい幕開けでした。謎の美女の登場の仕方も凄かった。映像となる美しいのかもしれないが、あそこまでやるかなぁ。ファンドマネージャーと若手ギャラリストの活躍、真治の奮闘ぶりはなかなか面白かったのですが思い上がってしまうと男は結局、あぁなってしまうのかなぁ…続→2015/08/02
sweet november
11
登場人物のどの人も薄っぺらい感じがして、感情移入はできなかった。アート業界の仕組みについては良く知らないので、こういう事もあるのか、という感想。2015/09/23