内容説明
利権に群がる魑魅魍魎たち。国民航空再建のために立ち上がった恩地。腐敗の構造は暴かれていくが、闇はなお深く…。
著者等紹介
山崎豊子[ヤマサキトヨコ]
1924(大正13)年生まれ。1944(昭和19)年3月、京都女子専門学校(現、京都女子大学)国文科を卒業。同月、毎日新聞大阪本社調査部に入社。1957(昭和32)年4月、毎日新聞学芸部記者としての勤務のかたわら休日を利用して書き続けた『暖簾』を、東京創元社より刊行。1958(昭和33)年7月、『花のれん』により第三十九回直木賞を受賞。1991(平成3)年2月、「大地の子」で文藝春秋読者賞を受賞。12月、菊池寛賞を受賞。2005(平成17)年1月、「運命の人」を“文藝春秋”に連載開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
129
山崎豊子全集(全27巻)完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11074109?sort=book_count&order=desc 第23弾は、『沈まぬ太陽』第三巻です。全三巻、1,700P超完読(再読)しました。本作品は、20年近く前、山崎豊子作品を読むきっかけとなった作品です。人類は『世界で最も危険な動物』という警句が心に突き刺さりました。山崎豊子に東京電力・原発を描いて欲しかった。次回は、完結した最期の作品『運命の人』です。 2018/03/04
Tsuyoshi
73
国見会長の辣腕で労務問題や安全対策など事態収拾に向かうと思いきや、大惨事への対応もおざなりに、出世や利権、保身に走る腐りきった経営幹部、官僚、政治家たちの手段を選ばぬ反発に道半ばで見切りをつけてしまうという何とも釈然としない結果に。事故の記憶を風化させない事はもちろん、最終的には自己のために他を顧みず動いてしまう「世界で最も危険な動物」たる人間に対する警告も同じように胸に刻み付ける必要があると感じた。2018/02/25
☆エンジェルよじ☆
6
出世・保身・私欲ばかりの役員、政治家、官僚達。映画公開をきっかけに原作を読んだ。この時期に経営再編報道がされるとはなんという皮肉だろうか?過去の事故で亡くなった数多の御霊の思いではないかと私は思う2010/01/08