出版社内容情報
連合赤軍、田中角栄、かい人21面相、山一抗争、少年A……。国家を激変させた「わるいやつら」の闇を衝く!
内容説明
巨悪。凶行。残虐。日本を震撼させ、戦後体制を変えた「暗黒事件」を忘れてはならない。「よど号」犯の北朝鮮亡命と連合赤軍事件、田中角栄とロッキード汚職、かい人21面相によるグリコ・森永事件、史上最悪の山一抗争、謎多きイトマン事件、前代未聞のテロ集団・オウム真理教、救いなき「少年A」…。その最前線で事件の真相に挑み続けてきた著者が、取材秘話を明かしながら、今、「わるいやつら」の闇を衝く。
目次
一九七〇年‐「よど号」事件と連合赤軍
一九七六年‐田中角栄とロッキード事件
一九八四年‐グリコ・森永事件―かい人21面相
一九八四年(八月五日)‐史上最悪の暴力団事件「山一抗争」
一九八六年(十一月十五日)―三井物産マニラ支店長誘拐事件
一九九〇年‐イトマン事件と住銀の天皇
一九九四年(九月十四日)‐住友銀行名古屋支店長暗殺事件
一九九五年‐オウム真理教事件の麻原彰晃
一九九七年‐神戸連続児童殺傷事件の少年A
一九九八年(七月二十五日)‐和歌山毒物カレー事件と林眞須美
著者等紹介
森功[モリイサオ]
1961(昭和36)年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大卒。「週刊新潮」編集部などを経て独立。2008、09年に「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を連続受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
65
連合赤軍から和歌山カレー事件まで、七十年代から九十年代まで、十の事件を追った一冊。新書にこれほどの事件を詰め込んでいるせいか、一つ一つの情報量は薄め。ただ編年体という事でリアルタイムで接していた事件も多々あり、当時の空気を思い出しながら懐かしく読む。キツネ目の男とか手配書見ない日無かったし、若王子氏の名前テレビからよく流れていたなあ。九十年代の事件はいうに及ばず、あの浮ついたような空気はどこに行ったのだろう。こう読んでいくと、連合赤軍もオウムも少年Aも歴史になっているんだなという感がひしひしと感じられた。2017/10/20
澤水月
30
『黒い看護師』著者、若王子さん誘拐事件に関し当時交渉役だった日本人が実名で出たり別筋から確定的に身代金の額や支払い方の詳細など載っていて驚愕。イトマン事件やグリ森ですら例えば丸大も脅迫されていた、最後の一歩で取り逃がし警察関係者自死などと自分は知らず、とにかく未熟な学生だったり生まれた前後の「近過去」は却って「知った気」になっていると思い知った。各事件が概要紹介的でコンパクトなので、物足りなさを覚えるかもしれないが、知ってるようで細かくは知らないと分かりとにかく興味持てたので意義あると思う2017/06/29
ネオ
22
どの事件にもニュースでは語られない部分が語られていてそこは感心しました。一つ一つの事件はもっと語られなくてはならない事があるかと感じます。ざっと読むには良いかと思います。2017/07/30
skunk_c
21
ほぼ同世代のジャーナリストが、よど号ハイジャックから和歌山カレー事件までの、約30年間に起こった事件をサクっと読めるようにまとめたもの。元々は雑誌連載であり、各号で読むとしたら適当だったのかもしれない。しかしこうして1冊にまとめると、その雑多さが目についてしまう。「暗黒事件」と言うから、社会の暗部に焦点を当てたものを期待し、その点イトマン、住銀支店長殺害の部分は、ご本人の取材結果も感じられて面白かったが、同列で神戸連続児童殺傷や和歌山カレー事件が並ぶのかなと。踏み込みも浅く、物足りなさを感じた。2017/06/29
緋莢
16
図書館本。1970年から1998年までの十の重大犯罪について書いています。他の方の感想にもあるように、それぞれの事件でそれだけで1冊の本が書けるほどの有名な事件なので、この本の中で触れられているのは概要といった感じです。よど号で北朝鮮にわたった赤軍派が背広を作って貰って喜んだというエピソードがありましたが、「バカなんじゃないのか?」と思い、こいつらが拉致に関わったのかと考えると怒りを覚えました。住友銀行名古屋支店長暗殺事件は、バブル崩壊後の不良債権処理の闇が見えて、ゾッとしました。2018/02/10