内容説明
ギリシア神話の昔から、大航海時代のキッド、ドレーク、あるいはカリブの海賊たち、日本でも藤原純友、倭寇、水軍、そして今日のマラッカ海峡に出没する略奪者に至るまで―古今東西、海のあるところ常に存在した海賊。国家や法律などの枠組みから抜け落ちた成らず者集団であったが、一方で必ず独自の掟を設け、驚くほど民主的な共同体を作り上げていた。映画やアニメの世界などでは窺えぬ、本当の“奴ら”の実態。
目次
第1章 現代に生きる海賊(海賊は実在する;マラッカ海峡とは)
第2章 七つの海を股にかけた男たち(海賊の世界史;最強海賊列伝)
第3章 日本の海賊(海を領地化した海上武装集団;室町後期から戦国時代、覇権を握った海賊たち;海賊の末裔;今日に続く後日談)
著者等紹介
山田吉彦[ヤマダヨシヒコ]
1962(昭和37)年千葉県生まれ。学習院大学卒業。金融機関を経て日本財団(日本船舶振興会)に勤務。広報チームリーダー。東海大学海洋学部非常勤講師。海上保安体制、現代海賊問題などに詳しい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
87
面白かったです。現代、西洋、日本の海賊について語られています。海賊はギリシア神話の古来から始まり、有名なカリブの海賊や和冦、水軍、現代の略奪者まであらゆる時代、古今東西に存在していたというのが興味深いです。映画やアニメの世界での海賊が目立ちがちですが、現実世界に存在してきたものだと改めて気付かされました。国家や法律といった常識から外れた集団でありながら、独自の掟で作られた共同体として海を暴れてきた姿を見たような気がします。本当の海賊の姿がここにはありました。2016/08/27
和草(にこぐさ)
8
掟もさることながら、海賊の歴史。現代の海賊、昔の海賊。海外の海賊。日本の海賊。海賊も生き残りをかけていて、大変そう。2013/09/16
かるかん
6
タイトル変えた方がいいんじゃないかな2014/03/10
寝落ち6段
5
海賊とは何者なのか。現代の海賊事情から中世欧州、カリブ海、日本の海賊の歴史をまとめた概要書。ざっくり海賊の概要を知るためには良いと思う。もっと細かく知りたい方は、それなりの専門書をお薦めしたい。なんだかんだで、海賊に憧憬がある。実物はフィクションとは違うが、なんだか男として興味が出てくる。時には私利私欲の為に、時には苦しめられる人々の為に、海賊と言ってもみんな事情が違う。船の誕生から同時に存在していた海賊。その本当の姿は何だろうか。2013/09/04
lop
4
おもしろかった。現代のテロリスト的な海賊、中世のカリブなどの海賊、村上水軍などの日本の海賊の三章に別れていて、海賊の知識入門としてはとてもよかった。この本を入り口にそれぞれ、より詳しい本を読む感じかなー2014/07/29