出版社内容情報
「水」が大変なことになっている! 水格差、淡水化装置、健康と水、雨水利用、人工降雨、ダム問題――現場を歩き、水を飲み、驚き、考えた、警鐘のルポ。
内容説明
水は不公平に存在している。だから、国境紛争の原因にもなるし、国際ビジネスのターゲットにもなっている。世界を旅し、辺境の地も数多く訪ねている著者が、改めて「水の今」を知るために旅に出た。水格差、淡水化装置、健康と水、雨水利用、人工降雨、ダムや河川の問題―。現場を歩き、水に触れ、口に含み、話を聞き、驚き、考えた、警鐘のルポルタージュ。
目次
第1章 スプーン一杯の水
第2章 天からのもらい水
第3章 飲めない水を飲めるようにする
第4章 クソ水と「皆水道」
第5章 人間という水袋
第6章 雨水利用は世界の常識
第7章 海国、山国、川国
第8章 賢愚が問われる水のコントロール
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944年東京生まれ。作家。小説、エッセーの他、ノンフィクションや写真も手がける。若い頃から、国内外の辺境を旅している。野営生活も多く、水への関心は常に高い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュースの素
12
シーナさん渾身の作品。世界を回ると水の事情は本当に痛感すると思う。私でさえも水ではいろんな経験がある。自国の水道水でさえ飲めない国は多かった。日本は水大国、であるが故に水に対して危機感を持っていない。シーナさんは力を込めて警鐘を鳴らしている。今回のマスク騒動ではないが、水はもっともっと深刻。本気になって考えなければと思う。2020/03/22
yooou
11
椎名さんの本は本当にひさしぶりで懐かしく楽しく読ませていただきました。ひさしぶりの椎名さんは相変わらず好奇心満々でずんずんとどこまでも行く。そして相変わらず第一級の読書家で、本書でもまた面白そうな本をたくさん教えてくれました。2017/02/05
がぁ
7
水環境を概観する入門書として読みやすい。日本がいかにめぐまれているのか、水環境に鈍感に経過してきたかを痛感する。この本を足掛かりにして、関心を深めていきたいと思う。2011/09/11
ヨクト
6
日本は山岳と清流に恵まれた世界有数の水大国。そこで当たり前に水道から出てくる水。当たり前のことが世界では当たり前ではない。水は不公平である。また日本には国際河川がないが、世界では国際河川が当たり前で、川の使い方や利用方法が戦争をも引き起こす可能性がある。実は水は命の資源なのだ。2019/05/18
ゆっこ09
6
筆者の実際の見聞や、参考文献がたくさん載っていてすごく分かりやすい。地球を100センチに縮小すると私たちが飲める淡水はわずかスプーン一杯分らしい。その中でお風呂に毎日浸かれて、飲める水道水なのにどこでも安価でミネラルウォーターが買える。排泄物が混じる水で遊ぶ子供達や、その水で珈琲を飲む現実を知って、わたしたち日本人は本当に恵まれすぎていると感じた。これからの危機感がなさすぎて怖くなった。読めてよかった。2015/04/18